ティグアンとトゥアレグの隙間に 新型フォルクスワーゲン・タイロンへ試乗 ハイブリッドで7シーター

公開 : 2025.03.18 19:05

ティグアンとトゥアレグの間に収まる、3列シートSUV登場 ソリッドな内装 AI利用のインフォテインメント 静かで上質なプラグインHV 優秀な乗り心地 優れた選択肢だと英編集部は評価

トゥアレグよりひと回り小さい3列シートSUV

最近中国を訪れたなら、フォルクスワーゲンと第一汽車(FAW)が共同開発したSUV、タイロンを目撃されたかもしれない。その名前が、世界進出を果たすことになった。少々手が加えられて。

中国市場のタイロンは2列シートのSUVで、全長は4595mm。最近モデルチェンジした、ティグアンより僅かに長いボディを持つ。だが、世界市場向けのタイロンは4792mmへ伸ばされ、3列シートへ仕立てられている。

フォルクスワーゲン・タイロン 1.5TSI eハイブリッド204PS(欧州仕様)
フォルクスワーゲン・タイロン 1.5TSI eハイブリッド204PS(欧州仕様)

欧州市場では、ティグアン・オールスペースという3列シートのSUVが、ティグアンとトゥアレグのギャップを埋めていた。新しいタイロンは、その後を継ぐモデルになる。

プラットフォームは、MQBエボ。スタイリングはティグアンと似ているが、フォルクスワーゲンによるとボディパネルは別物とのこと。フロントバンパーに、巨大なエアインテーク風のガーニッシュが収まる。

主なライバルは、プジョー5008日産エクストレイルヒョンデ・サンタフェなど。パワートレインは、ガソリンとディーゼルの他、マイルドとプラグインという2種類のハイブリッドも用意される。同社の中では、最も選択肢が多い。

プラグイン・ハイブリッドは、1.5L 4気筒ガソリンと、6速デュアルクラッチATに内蔵される114psの駆動用モーター、19.7kWhのバッテリーという組み合わせ。システム総合で、203psか271psの2段階の最高出力が設定される。

ただし、駆動用バッテリーの都合で、プラグイン・ハイブリッドは2列シートへ限定される。他方、電気だけで112km以上走れるという。

ソリッドな内装 AI利用のインフォテインメント

インテリアは、フォルクスワーゲンらしくソリッド。ただし、高級感はほどほど。ダッシュボード上面やドアパネルはソフト加工されているが、全体的にはプラスティックであることを隠さない領域も多い。

トゥアレグとの差別化が、図られたのだろう。それでも、ダッシュボード中心には12.9インチのタッチモニターが鎮座し、ドライバー正面には10.25インチのメーター用モニターが据えられる。

フォルクスワーゲン・タイロン 1.5TSI eハイブリッド204PS(欧州仕様)
フォルクスワーゲン・タイロン 1.5TSI eハイブリッド204PS(欧州仕様)

オプションで、センターモニターは15.0インチへ拡大でき、ヘッドアップ・ディスプレイも追加可能。エアコンの温度などは、タッチセンサー式のスライダーで操作する。バックライト内蔵で、夜間でも場所がわからなくなることはない。

インフォテインメント・システムは、同社の最新。AIを用いた音声アシスタント、アイダも実装されている。

センターコンソールには、スタート/ストップとパーキングブレーキのハードスイッチ。中央部分には、再生メディアの選択や音量、ドライブモードなど、複数の機能が割り当てられるロータリーダイヤルが備わり、直感的に操作できる。

車内空間は、1列目と2列目は広々。3列目は5008より狭く、大人向きとはいいにくい。空間の全体的な余裕ではサンタフェの方が大きく、USBポートなど装備も充実することは否めない。

荷室の容量は、2列シート仕様で885Lだが、試乗したプラグイン・ハイブリッドは705L。3列シートの場合は345Lへ狭まるが、最後列を倒せば850Lへ拡大できる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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