空気をすり抜ける流麗ボディ マクラーレン・スピードテールへ試乗 402km/hで自主規制
公開 : 2025.03.28 19:05
4.0L V8ツインターボのHVで402km/hに届く、スピードテール 魅惑的なキャブフォワードのプロポーション 抜群の乗り心地と操縦性 前例ない加速 驚きの車重1499kg 英編集部が評価
もくじ
ーカーボンタブシャシーに4.0L V8ツインターボHV
ー魅惑的なキャブフォワードのプロポーション
ー流麗なボディが空気をしなやかにすり抜ける
ー抜群の乗り心地と操縦性 驚くほど軽い1499kg
ードライバーを選ばず、軽量で賢明 まさにマクラーレン
ーマクラーレン・スピードテール(英国仕様)のスペック
カーボンタブシャシーに4.0L V8ツインターボHV
特別なマクラーレンを、何時間も走らせた。210万ポンド(約4億950万円)というスピードテールの真実を、理解するために。予想を裏切る可能性へ期待した。むしろ、その方が喜ばしい。
滅法速いことは知っていた。どんな公道用モデルでも及ばないほど。技術やデザイン、崇高なカリスマ性も、魅力を構成する要素だろう。ところが丸1日が過ぎようとした頃でも、筆者はその奥深さを完全には掴みきれずにいた。いい意味で。

これまで30年以上、数え切れないほどのクルマを評価してきた。しかし、スピードテールはまったく新しい体験をもたらしてくれた。
カーボンファイバー製のタブシャシーを採用し、4.0L V型8気筒ツインターボエンジンがミドシップされている。トランスミッションは、7速デュアルクラッチ・オートマティックで、後輪が駆動される。
この部分だけを見ると、他のマクラーレンと大きな違いはない。エンジンはハイブリッド化されているが、2013年のP1にも、電動化技術は実装されていた。
魅惑的なキャブフォワードのプロポーション
スタイリングは、見る人で印象が変わるとはいえ、触れずにはいられない。ロンドンの市街地へ踏み入ると、通行人が次々に足を止め、こちらを見つめてくる。
胸が苦しくなるほど美しい。1960年代のレーシングカーへ通じる、キャブフォワードのプロポーションとロングテールが、現代的に解釈されている。レトロフューチャー的でもあるが、ありきたりな表現とは一線を画し、魅惑的な造形だと思う。

コクピットは、マクラーレンF1のように横に3席並んだスタイルで、中央が運転席。乗降性は驚くほど良く、運転姿勢は極めて自然。一度慣れてしまうと、他のモデルではしっくり来ないほど。
メーターパネルはモニター式。正面に速度や回転数などの情報が表示され、その両脇はカーナビとインフォテインメント用のタッチモニター。デザインはシンプルで、少し前のアイリス・システムより遥かに扱いやすい。
エンジンのスタート/ストップや、小さなサイドウインドウのスイッチは、ドライバーの頭上。膝の前方にも、残りのスイッチが配置される。現実的な価格帯のマクラーレンにもこのデザインが展開できるなら、強みの1つになるだろう。
助手席は、F1より居心地が悪いかも。ドライバーが高身長でなければ窮屈ではないが、中央の席が後方へスライドした状態では、肩がぶつかる。大人3名で乗る場合は、予め身長を確かめた方が良い。
荷室は、想像以上に広い。フロントノーズとテールエンドに、荷物を積める。ただし、車内に小物入れは殆どない。
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