日産、英国における自動運転テストを完了 『リーフ』で2万5000km走行、事故はゼロ

公開 : 2025.03.14 18:45

日産は英国における自動運転車の公道テスト走行を完了したと発表しました。テストには特殊装備を施した『リーフ』が用いられ、都市部、住宅地、郊外の狭い道を走行。自動運転の実現へ一歩近づいたといいます。

住宅街や田園地帯も走行 自動運転の実現に一歩

日産自動車が主導するプロジェクト『evolvAD』により、特殊な装備を施した日産リーフが英国内の住宅街や地方の道路でテスト走行を実施した。これにより、英国における自動運転の実現が一歩近づいたとされている。

evolvADは、英国政府の1億ポンド(約190億円)のインテリジェント・モビリティ基金から一部資金提供を受けたもので、自動運転車の導入に向けた幅広い研究プロジェクトの一環である。

『リーフ』を使った英国での公道走行テストが完了し、次の段階へ進もうとしている。
『リーフ』を使った英国での公道走行テストが完了し、次の段階へ進もうとしている。    日産

プロジェクトでは、都市部以外の場所や交通の便が悪い地域で使用できるかどうかを評価すること、住宅地の監視カメラなどのインフラを活用して状況認識能力を向上させること、複雑な地方の道路を自動運転車が走行するためにどのような技術が必要になるかを探ることなどを目標としていた。

evolvADは、『HumanDrive』と『ServCity』を含む8年間のプロジェクトの最終段階であった。このプロジェクトは都市部におけるロボタクシーサービスの導入支援を想定していたため、人口密集地域で行われた。

日産によると、結果の全容は間もなく明らかになるというが、研究開発部門の責任者であるデビッド・モス氏はすでにこのプロジェクトを「大成功」と表現している。

モス氏は以前、自動運転が日産アンビション2030戦略の重要な柱であると述べ、「自動運転技術は、車両の安全性、環境への影響、アクセシビリティの面で大きなメリットをもたらすため、非常に重要です」としていた。

8年間にわたるテストの中で、リーフは高速道路、市街地、住宅街、地方の小道を約2万5000km走行したが、一度も事故は記録されていないという。

産業大臣のサラ・ジョーンズ氏は次のように説明した。

「英国の自動車産業は世界でもトップクラスであり、今回のプロジェクトによって自動運転が現実に一歩近づいたことを嬉しく思います」

「わたし達の産業戦略は、自動車産業を強化し、英国のあらゆる地域に成長と雇用、機会をもたらすことです」

evolvADのプロジェクトリーダーであるロバート・ベイトマン氏によると、日産の焦点は現在、英国の都市が自動運転車の導入に対応できるようにすることに移っているという。

同氏は、「わたし達は国全体のインフラと規制のニーズの全体像について理解を深める必要があります。そして、適切な方法とタイミングで自動運転車サービスの導入を成功させるために、政策立案者と都市計画者に重要な洞察を提供します」と述べた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    役職:ニュース編集者
    ニュース編集者としての主な業務は、AUTOCARのニュースの方向性を決定すること、業界トップへのインタビュー、新車発表会の取材、独占情報の発掘など。人と話したり質問したりするのが大好きで、それが大きなニュースにつながることも多い。これまで運転した中で最高のクルマは、アルピーヌA110。軽快な動きと4気筒とは思えないサウンドが素晴らしい。
  • 翻訳

    小河昭太

    Shota Ogo

    2002年横浜生まれ。都内の文系大学に通う現役大学生。幼いころから筋金入りのクルマ好きで、初の愛車は自らレストアしたアウトビアンキA112アバルトとアルファロメオ2000GTV。廃部になった自動車部を復活させようと絶賛奮闘中。自動車ライターを志していたところAUTOCAR編集部との出会いがあり、現在に至る。instagram:@h_r_boy_
  • 編集

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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