もはや博物館 広大な森の中で見つけたクラシックカー 40選(後編) ジャンクヤード探訪記

公開 : 2025.03.15 19:45

米ジョージア州にあるジャンクヤード『オールドカー・シティ』は数え切れないほどの廃車を保管しており、クラシックカー博物館のような趣さえあります。取材班が現地で見つけた、貴重なクルマを紹介します。

シボレー・コルベア

米国の社会活動家ラルフ・ネーダー氏は、シボレー・コルベアについて「どんなスピードでも自動車は危険だ(Unsafe at Any Speed)」という主張を行ったことで有名だ。さて、このコンバーチブルは静止状態でも特に安全そうには見えない。高速道路を再び走るには、かなりの出費が必要になるだろう。それに、車輪も調整が必要かもしれない……。

シボレー・コルベア
シボレー・コルベア

1968年型フォード・トリノ

1968年型フォード・トリノのラインナップの中で、GTは最も魅力的なモデルであることは間違いないが、この個体はそれほど価値があるとは思えない。実際、手前の子供の乗用玩具の方が、eBayではトリノよりも高く売れるのではないだろうか。背景に写っている初代カプリにも注目してほしい。このクルマは1970年に米国で発売され、比較的好調な売れ行きを示した。販売資料では「欧州車の美しさ」と表現され、マーキュリーのディーラーのみで販売された。

1968年型フォード・トリノ
1968年型フォード・トリノ

リンカーン・プレミア

リンカーン・プレミアは極めて希少だが、残念ながらこの個体のフロアパンには、脱毛したヤマアラシよりも穴が多い。1960年当時、この高級4ドア・セダン・ハードトップを5945ドルで購入した人は、わずか4200人だった。快適装備が満載で、オプションにはリモコン式トランクリッドまで用意されていた。

リンカーン・プレミア
リンカーン・プレミア

スチュードベーカー・ラーク

翼の生えたラーク(Lark=ヒバリ)なら木の上でくつろげるが、この1960年型スチュードベーカーはどうやら居心地の悪い場所にいるようだ。1959年に発売されたラークは、コンパクトカーのトレンドの波に乗って、初年度に13万台以上を売り上げるという成功を収めた。

スチュードベーカー・ラーク
スチュードベーカー・ラーク

1967年型ビュイック・ワイルドキャット

状態の良い1967年型ビュイック・ワイルドキャット・コンバーチブルは、それなりの価格で売買されているが、この個体は金属スクラップの重量分以上の価値はないだろう。内装はとっくに腐り果て、ボディは錆に食い荒らされている。しかし、入手困難な部品が今でもいくつか残っている。

1967年型ビュイック・ワイルドキャット
1967年型ビュイック・ワイルドキャット

1952年型マーキュリー

植物がびっしりと生い茂り、常に湿気が多い環境に置かれていたため、この1952年型マーキュリーはあまり良い状態ではない。クロームメッキはまだ綺麗だが、ボディは広範囲で錆びている。たとえ屈強なレストア業者でも、スイスチーズのようなフロアパネルを見たら思いとどまるだろう。1万7000台強が販売されたが、その大半は高価なV8エンジンよりも6気筒エンジンを積んでいた。

1952年型マーキュリー
1952年型マーキュリー

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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