スバル本当の「レガシー」へ 3代目レガシィ・ツーリングワゴン(1) 現行アウトバックが継ぐ魅力

公開 : 2025.03.29 09:45

スバルのアイコンの1台、レガシィが生産終了 水平対向4気筒にシンメトリカル四輪駆動 最もパワフルな仕様でも中古車はお手頃 現在のアウトバックへ通じる魅力 英編集部が2台を比較

スバルのアイコンの1台、レガシィが生産終了

強化される環境規制に伴う、パワートレインの電動化。主力車種のクロスオーバーやSUVへのシフト。自動車市場は今、大きな変貌期を迎えている。その淘汰競争は激しく、姿を消すことになった傑作モデルは少なくない。

フォードは、コンパクトハッチバックのフィエスタと、ファミリーサルーン/ステーションワゴンのモンデオの供給を止めた。10年前には、考えられなかった判断といえる。ボルボも、ブランドの代名詞といえるステーションワゴンの終了を検討している。

ホワイトのスバル・レガシィ・ツーリングワゴン GT-Bと、ブラウンのスバル・アウトバック 2.5i フィールド
ホワイトのスバル・レガシィ・ツーリングワゴン GT-Bと、ブラウンのスバル・アウトバック 2.5i フィールド    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

そして今度は、根っからのスバル好きが枕を涙で濡らす時がやってきた。伝統のレガシィは、2025年の春に生産を終えるのだという。

英国では、モンデオほど頻繁に目撃するステーションワゴンではなかった。だとしても、この土地のクルマ好きにも、レガシィは一目置かれる存在であり続けてきた。

特定の層は、プレイステーションのゲーム、グランツーリスモでその速さを知ったかもしれない。少ない出費で、イベントを勝てる1台だった。

もっと古い世代は、ラリードライバーのコリン・マクレー氏が1993年の世界ラリー選手権(WRC)で初優勝を決め、特別視するようになったかもしれない。インプレッサに並ぶほどの伝説的なマシンではなくても、スバルのアイコンといえたことは事実だ。

最もパワフルな仕様でも中古車価格はお手頃

古いインプレッサは、取引価格が日に日に上昇している。限定生産された初代のクーペ、22Bへ、英国では25万ポンド(約4875万円)の値が付くことがあるほど。だが、レガシィは高騰とは無縁。比較的小さな予算で、中古車を探すことができる。

今回用意した、ホワイトの3代目レガシィ・ツーリングワゴンは、1999年式のGT-B。日本からの並行輸入車で、横に長くないナンバープレートをぶら下げている。走行距離は、32万kmを超えている。

スバル・レガシィ・ツーリングワゴン GT-B(3代目/1998〜2003年/並行輸入仕様)
スバル・レガシィ・ツーリングワゴン GT-B(3代目/1998〜2003年/並行輸入仕様)    ジャック・ハリソン(Jack Harrison)

最高出力は280psを誇り、歴代で最もパワフルな仕様の1台。それでも1万ポンド(約195万円)も用意すれば、自宅へ連れ帰ることができる。幸運にも、好条件の1台を見つけることができれば、だが。

これと比較するのは、レガシィから派生したグランドワゴンの現代版といえる、アウトバック。グレートブリテン島のショールームで、商談を進めることができる現行型だ。2024年には、実際に752人が注文書にサインしたという。

オリジナルが登場したのは、1995年。レガシー・ツーリングワゴンのクロスオーバーとして、オフロードの多い北米を主要市場に登場している。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブン・ドビー

    Stephen Dobie

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

3代目レガシィ・ツーリングワゴンの前後関係

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