スバル本当の「レガシー」へ 3代目レガシィ・ツーリングワゴン(1) 現行アウトバックが継ぐ魅力
公開 : 2025.03.29 09:45
水平対向4気筒にシンメトリカル四輪駆動
アウトバックはすぐに人気を獲得し、レガシィが3代目へ進化したタイミングで、独立モデルという扱いに。最近の英国では、同社のベストセラーになっている。
現在のスバルは、WRCでの挑戦から手を引いた。主なターゲットは、3代目レオーネの頃と同様に、日常的に四輪駆動を必要とする自然の近くで暮らす人。動的な特徴も、レガシィとは異なる。

ツーリングワゴン GT-Bに搭載されるのは、2.0Lの水平対向4気筒ツインターボエンジン。5速MTと、同社自慢のシンメトリカル四輪駆動システムを介して、4本のタイヤへふんだんなパワーが伝えられる。
新しいアウトバックにも水平対向4気筒とシンメトリカル四輪駆動は載るが、自然吸気の2.5L。英国仕様の最高出力は169psで、CVTが組み合わされている。エキサイティングな走りを、期待させるものとはいえない。
見た目も、最低地上高を持ち上げたサスペンションに、フェンダーモールとルーフレールが与えられ、アウトドア感が強い。ボンネットにインタークーラー用エアインテークが開けられた、ツーリングワゴン GT-Bとは違うテイストにある。
スペースとスピード、ハンサムな顔立ち
「スペースとスピード、ハンサムな顔立ち」は、1989年に初代スバルが掲げたレシピ。ハイエンドな仕様は北米市場でヒットし、アウトバックも含めて、顧客満足度では独走状態にあった。
同じ時期に、スバルはスバル・テクニカ・インターナショナル(STi)を設立。レガシィで積極的にWRCへ挑み始め、そのイメージを借りた派生仕様が数多生み出された。整理が難しいほど。

高性能なツーリングワゴン GT-Bも、その1つ。ただし、オーナーのダレン・ペイシェント氏は、グランツーリスモの中と同レベルの驚きは、期待しないで欲しいと話す。
彼はレガシィへ夢中だが、「インプレッサのようには、コーナリングしませんよ」。とスポーツシートへ座った筆者へ声をかける。確かに、少し高級志向にあったモデルだ。
とはいえ、ペイシェントの心配は杞憂だった。キーを捻った瞬間、懐かしい水平対向エンジンのビートが打たれ始める。軽くブリッピングすると、ウヴァー、ウヴァーと、気温の低い早朝の空気と、筆者の心を震わせる。
先に写真撮影を終わらせていたから、既にエンジンは暖気済み。路肩の駐車場を出発すると、気持ち良い直線が伸びている。
ターボラグを減らすべく、バンク角の内側へターボを配置したホットVや、マイルド・ハイブリッドが登場する以前のユニットだ。1990年代後半のツインターボは、低域ではそこまで活発ではない。
積極的にエンジンは吹け上がる。だが、即座に2基のタービンが回転し、ロケットダッシュが始まるわけではない。
この続きは、3代目レガシィ・ツーリングワゴン(2)にて。
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