ルノー「小さなスーパーカー」発表 540psで後輪駆動、新型『5ターボ3E』2027年発売へ
公開 : 2025.03.18 18:45
ルノーが新型のホットハッチ『5ターボ3E』を発表しました。限定生産の高性能EVで、ダウンフォースと冷却のためのワイドな特注ボディを備えています。デザイナーは「夢を現実にできた」と語ります。
80年代の「5ターボ」が復活
ルノーは3月17日、新型の高性能EV『5ターボ3E(5 Turbo 3E)』を発表した。ブランド史上最もパワフルで先進的なロードカーとして2027年に発売予定で、540psのパワーとポルシェ911を脅かす加速性能を誇る。
1980年の5ターボの電動版として位置づけられ、生産台数も同数になるという。ルノーは、このクルマが「ミニ・スーパーカー」というまったく新しいセグメントを創出したとしている。

ルノー・グループのデザイン責任者であるローレンス・ヴァン・デン・アッカー氏は、「基本的に制約はありませんでした。現在、ルノー・グループのデザインは非常に良い時代を迎えていると思います。わたし達の夢はすべて実現しつつあり、このようなプロポーションの小さなクルマを作るのは夢のようです」と語った。
こうしたデザインは、開発においてデザイナーとエンジニアの役割を逆転させたことによって実現したという。
「エンジニアが手がける前にわたし達がクルマをデザインし、その後エンジニアがそれを実現しました。通常であれば、その順序は逆になるはずです」と同氏は言う。
540psのインホイールモーター搭載
新型5ターボ3Eは、小型ハッチバックのルノー5 Eテックをベースにしているが、特注のプラットフォーム、独自のボディワーク、インホイールモーターを備えている。
これらを組み合わせることで、ホイールトルクは約490kg-m(4800Nm)に達するとのことだが、実際に路面に伝わるトルクはその10%程度と思われる。

0-100km/h加速は3.5秒以下、0-200km/h加速は9.0秒以下、サーキットでの最高速度は270km/hに達する見込みである。
後輪に内蔵されるインホイールモーターは、従来のモーターよりも素早く動力を伝達でき、また各車輪をより正確に制御し、アクスル部分で「大幅」な軽量化と省スペース化が可能になると言われている。
AUTOCARが取材で得た情報によると、このインホイールモーター技術は英国のプロティアン・エレクトリック(Protean Electric)社が開発したもののようで、電子制御ディファレンシャルが不要になるという。
70kWhのバッテリーは動力性能を重視して配置され、「素晴らしい」ドリフト能力を持つとルノーは主張している。専用のドリフトモードやラリースタイルの縦型ハンドブレーキも装備される。
航続距離は400kmだが、サーキットで全開走行した場合、バッテリーは15分から20分しか持たないことをルノーは認めている。
高度なバッテリー温度管理システムにより、最高速度270km/hでサーキットを走行した後、350kWで急速充電を行い、15分で15%から80%まで充電することが可能だという。
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