【世界遺産薬師寺の境内で開催】国宝級クラシックカー約60台が集結!コンコルソ・デレガンツァ・ジャパン2025

公開 : 2025.03.18 11:45

奈良県にある世界遺産『薬師寺』の境内を舞台に、『コンコルソ・デレガンツァ・ジャパン2025』が3月15~16日に開催されました。約60台の国宝級ともいえるクラシックカーの集結です。内田俊一がレポートします。

6年ぶりに会場を薬師寺に変えて復活

奈良県にある世界遺産『薬師寺』の境内を舞台に、『コンコルソ・デレガンツァ・ジャパン2025』が3月15~16日に開催された。

2016年12月に京都は元離宮二条城で『コンコルソデレガンツァ京都2016』を開催したのを皮切りに、2018年、2019年と続けて行われてきたコンクールデレガンスだが、コロナ禍により中断。そしてついに6年ぶりに会場を薬師寺に変えて、その名もコンコルソ・デレガンツァ・ジャパンとして、国際レベルのコンクールデレガンスが復活を遂げた。

世界遺産の薬師寺境内でコンコルソ・デレガンツァ・ジャパン2025が開催
世界遺産の薬師寺境内でコンコルソ・デレガンツァ・ジャパン2025が開催    平井大介

約60台が薬師寺の境内に展示された光景は日本ならではのものであり、世界遺産の会場を使ったコンクールデレガンスは、世界に類を見ない特別なシチュエーションといえる。

今回のコンクールで特徴的だったのは、特別公開として行われた17時から22時までの『ナイトタイムスペシャルセレブレーション』と翌朝5時30分から8時30分までの『モーニングタイムスペシャルセレブレーション』だ。

前者は日没後のマジックアワーを経て、夜間は通常非公開である薬師寺白鳳伽藍 (はくほうがらん) に、エントリー車両が集結。幻想的な空間でクラシックカーとの競演を味わえ、後者は同じ場所で日の出前のマジックアワーを楽しめるものだ。

日本で歴史を刻んできたクラシックカーたち

さて、これまでこのコンクールデレガンスの出展車両は欧米からのエントリーが中心であったが、今回は日本にも素晴らしいヒストリックカーやクラシックカーが存在することを世界に発信しようと、日本からのエントリーをメインにし、1921年のフィアット501SSテスタシルバーニをはじめとした戦前モデルだけでも14台が出展。

40年以上前から日本にあるアストン マーティン・インターナショナルや同じくアストン マーティンの中でも5台しか製造されなかったCタイプ、コンクールデレガンスらしいエレガントなSS1ライトサルーン、ドラージュD6-70。そして日本らしいクルマとして、カーグラフィック誌名誉編集長であった故小林彰太郎氏が愛し、いまは30代のオーナーに引き継がれたオースチン・セブンタイプBクーペなどがその美しい姿を観客に披露した。

初日は午後から生憎の雨となった。手前がオースチン・セブンタイプBクーペ。
初日は午後から生憎の雨となった。手前がオースチン・セブンタイプBクーペ。    平井大介

戦後ではイタリアのバルケッタだけでなく、1947年のコンコルソ・デレガンツァ・ヴィラデステのオープンカークラスで優勝した経歴を持つワンオフのフィアット1100Cヴィラデステや、トヨタ博物館からトヨタ2000GT(ザ・ボンドカー)などが並べられ、大いに注目を集めていた。

同時にカロッツェリア・ザガートのクルマたちもフィーチャーし、ザガートの手になるクルマが9台も集結。本国からカロッツェリア・ザガートの3代目となるアンドレア・ザガート氏も来日し、大いに会を盛り上げていた。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    内田俊一

    日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験を生かしてデザイン、マーケティング等の視点を中心に執筆。長距離試乗も得意であらゆるシーンでの試乗記執筆を心掛けている。クラシックカーの分野も得意で、日本クラシックカークラブ(CCCJ)会員でもある。現在、車検切れのルノー25バカラとルノー10を所有。
  • 撮影

    内田千鶴子

    Chizuko Uchida

    イタリアとクルマが大好きで、1968年式のFiat 850 spider Serie2を20年以上所有。本国のクラブツーリングにも何度か参加している。イタリア旅行時は、レンタカーを借りて一人で走り回る。たまたま夫が自動車ジャーナリストだったことをきっかけに取材を手伝うことになり、写真を撮ったり、運転をしたりすることになった。地図は常にノースアップで読み、長距離試乗の時はナビを設定していても、ナビシートで常に自分で地図を見ていないと落ち着かない。
  • 撮影 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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