【世界遺産薬師寺の境内で開催】国宝級クラシックカー約60台が集結!コンコルソ・デレガンツァ・ジャパン2025
公開 : 2025.03.18 11:45 更新 : 2025.03.22 21:52
話題の中心はストラトス・ゼロ!
しかし、なんといっても今回の話題をさらったのは、アメリカからエントリーされた『ストラトス・ゼロ』(エントリー名はランチア・ストラトスHFゼロ)だ。
カロッツェリア・ベルトーネに在籍していたマルチェロ・ガンディーニ氏の手により描かれ、1970年のトリノ・ショーでデビューしたストラトス・ゼロは、全高840mmという低さやフロントウインドウを開閉することで乗り降りする奇抜さとともに、その際にはステアリングがトラックなどのようにアップライトになることで乗り降りをしやすくするという、実用性も備えてもいた。

さて、そういったクルマを審査する審査員もそうそうたる顔ぶれだ。かつて日産のデザインを率いた中村史郎氏、カロッツェリア・ピニンファリーナでマセラティ・クアトロポルテやエンツォ・フェラーリなどをデザインした奥山清行氏、アンドレア・ザガート氏、ティエリー・ブーツェン氏をはじめ、FIVA会長のティド・ブレスター氏などが厳正なる審査を行った。
その結果、コンコルソ・デレガンツァ・ジャパン2025のウイナーがストラトス・ゼロとなったのは、当然の結果ともいえる。
グローバルレベルのコンクールデレガンス
初日の午後から雨足が徐々に強くなり、朝夕のマジックアワーを楽しむことはできなかったが、それでも境内に並んだ宝石のようなクルマたちを眺めているだけで幸せな時間を過ごすことができた。そしてそのほとんどのクルマが、実際に走らせることができるコンディションを保っていることも魅力だ。
コンクールコンディションというと、どうしても磨き上げて飾ってあるクルマと思ってしまうが、近年ではペブルビーチのコンクールデレガンスや、イタリアはコモ湖で行われるコンコルソ・デレガンツァ・ヴィラデステでも、実際に公道を走らせることを評価項目に挙げているほど、実走は重要視されている。

コンコルソ・デレガンツァ・ジャパンでも、これは搬入のためだが、可能な限り集合場所から実際に走らせて境内に乗り入れる方式がとられたのも、その一環ととらえていいだろう。
このようにグローバルレベルのコンクールデレガンスを日本で見ることができるのは、幸せ以外の何物でもない。ぜひ来年以降も継続して開催してほしい。
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