【なぜこのタイミング?】マツダが電動化や『ものづくり』の進捗を力説!2027年『CX-5』ハイブリッド導入も確定

公開 : 2025.03.21 06:05

3月18日、マツダは都内で『マルチソリューション説明会』を開催。電動化戦略の進捗、マツダ独自技術を搭載するユーザーの期待が高まる新型モデルなど、充実した内容となりました。説明会に参加した桃田健史のレポートです。

報道陣からの質問に真正面から答える姿が潔い

実に、『マツダらしい』内容の説明会だった。

電動化戦略の進捗、理想と追求したエンジン、自前と他社連携のバランス、そしてマツダ独自技術を搭載するユーザーの期待が高まる新型モデルなど、充実した中身であった。

マツダは『マルチソリューション説明会』にて、電動化の進捗などを報告。
マツダは『マルチソリューション説明会』にて、電動化の進捗などを報告。    マツダ

また、毛籠勝弘社長、最高技術責任者(CTO)の廣瀬一郎取締役専務執行役員、電動化推進担当の梅下隆一常務執行役員、そして製造技術の責任者である弘中武都常務執行役員が、報道陣からの質問に真正面から答える姿が、実に潔かった。

創業以来、山あり谷ありの経営状態を経験してきたからこそ、この難局に立ち向かうための知恵が、マツダにはある。1時間のプレゼンテーション、30分間の質疑応答、次いで部門毎に分かれて行われた担当各役員を囲んでの質疑応答など、約3時間に渡る説明会の中で、そう感じた。

これは、3月18日、マツダが都内で開催した『マルチソリューション説明会』でのことだ。マツダはこれまで、経営方針を説明する際、国や地域の社会情勢に応じて必要とされるパワートレインは多岐に渡るとして、多様な解決策を同時進行で考えるマルチソリューションという発想を重要視してきた。

だが、今回の説明会では、技術的にはパワートレインとしてのマルチソリューションの説明があったものの、それ以上にマツダという企業として、現在直面している社会課題に対して多様性と柔軟性を持ってのぞむことが、今回の説明会の主旨であると、筆者は感じた。

つまり、企業全体として、さらにはサプライヤーや他の自動車メーカーも仲間に入れた形での、マルチな経営戦略を示したと言える。

フェーズ2突入のタイミング

では、プレゼンテーションの内容を振り返りながら、注目点をピックアップしてみたい。

話は、毛籠勝弘社長の『2030経営方針の進捗』から始まった。具体的には、電動化時代に向けた戦略のアップデートだ。

マツダは中国向けにBEV『EZ-6』を、欧州向けにはこの『6e』を投入している。
マツダは中国向けにBEV『EZ-6』を、欧州向けにはこの『6e』を投入している。    マツダ

マツダは2022年11月、中期経営計画と2030年に向けた経営方針を発表している。その中で、最重要項目である電動化については、2030年までを3つのフェーズに分けて、柔軟に電動化に対応していくとしていた。

フェーズ1(2022〜2024年)は、既存資産のマルチ電動化技術の活用。具体的には、FFをベースとする『スモール商品群』とFRをベースとする『ラージ商品群』への初期投資が終わり、グローバルでの量産効果によって『稼ぐ時期への転換』ということだ。

今回、質疑応答の中で、廣瀬専務はフェーズ1について「ラージ商品群の一部(CX-60を指す)での改良などがあったが、(全体として)概ね予定していた通りの成果」と評価した。

そしてフェーズ2(2025〜2027年)に突入したこのタイミングで、当初の目標に対する進捗を説明する必要があったと言える。当初の目標とは、新しいハイブリッドの導入、中国でのEV専用車導入、そしてグローバル向けEVの導入だった。

新しいハイブリッドとは、内燃機関『スカイアクティブ(SKYACTIV)Z』を活用するもの。スカイアクティブZは、『スカイアクティブX』で得た知見を活かす。これを2027年に次期『CX-5』を皮切りに各モデルに搭載する予定だ。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    桃田健史

    Kenji Momota

    過去40数年間の飛行機移動距離はざっと世界150周。量産車の企画/開発/実験/マーケティングなど様々な実務を経験。モータースポーツ領域でもアメリカを拠点に長年活動。昔は愛車のフルサイズピックトラックで1日1600㎞移動は当たり前だったが最近は長距離だと腰が痛く……。将来は80年代に取得した双発飛行機免許使って「空飛ぶクルマ」で移動?
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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