アウディ、ハイブリッド技術に注力 「エンジン車廃止時期」見直し 2030年以降も継続へ
公開 : 2025.03.20 06:45
アウディは当初、2032年に新車のエンジン搭載車の販売を終了する計画でしたが、EV需要の伸び悩みを受けて方針修正。ハイブリッドを中心にエンジン車の販売期間を延長する構えを見せています。
ガソリンおよびディーゼルの販売期間を延長
アウディはEV需要の成長鈍化を受け、エンジン搭載車の廃止時期の見直しを進めている。
アウディは以前、同社最後のエンジン車(おそらく次期型Q7)を2026年に発売し、2032年には販売を終了すると発表していた。しかし、世界の主要市場でEVの普及速度が異なるため、ガソリンおよびディーゼルエンジンを予定よりも長く販売し続ける可能性がある。

最高経営責任者のゲルノート・デルナー氏は年次業績発表会で、エンジンの継続的な重要性に言及し、アウディが新世代ハイブリッド技術に多額の投資を行っていることを強調した。
「すべての地域において、当社は内燃機関の寿命を見直すつもりです。これまでは2032年というスケージュールをお伝えしてきましたが、その日付と期限を再評価する必要があります」とデルナー氏は述べた。
EVパワートレインへの移行は「当初の予定よりも長くなる」とし、中期的にはハイブリッド・パワートレインの基盤としてエンジンが重要な役割を担い続けるとの考えを示した。
2025年には10車種の新プラグインハイブリッド(PHEV)モデルが投入される予定で、その1つとして新型A5のPHEV仕様が来週登場する。また、A3、A6、Q5、そして次期型Q3もPHEVモデルとして発売される予定だ。
今後数年以内にデビューする次期型Q7と、主に米国市場向けの大型モデルであるQ9も、PHEV仕様が用意されている。
こうしたアウディのエンジン車は、少なくとも2030年以降も販売が継続される予定であるとデルナー氏は述べた。また、需要があり、法規制が許せば、それらの製品ライフサイクルをさらに延長する用意があるという。
「総合的に見て、内燃機関の延長は、当社のビジネスモデルにプラスの影響をもたらすでしょう」とデルナー氏。
去る2024年、アウディの全世界での販売台数に占めるEVの割合は10%未満にとどまった。同社はライバル企業に市場シェアを奪われないよう、「柔軟なパワートレインの提供」に引き続き力を入れている。
そうした状況下でディーゼルエンジンも依然として重要な位置づけにあるが、デルナー氏によると「新世代のディーゼルエンジンに多額の投資はしない」という。
現在のTDIユニットはEU(欧州連合)のユーロ7排出ガス規制に準拠しており、「これらのエンジンを生産し市場に投入できる限り」、販売を続ける構えだ。
「ディーゼルのラインナップを拡大するつもりはありません。出荷台数は減少しています。しかし、ディーゼルは当社にとって重要なので、その分野では柔軟に対応していきます」とデルナー氏は述べた。
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