燦然と輝く街乗り重視のSUV レクサスRX 長期テスト(1) 支持率へ貢献のプラグインHV

公開 : 2025.04.05 09:45

世界初の高級クロスオーバーだと主張されるレクサスRX プラグインHVの登場で欧州でも支持率上昇中 日常性と快適性、高効率のバランスは? 英国フラッグシップの実力を長期テストで探る

初回 燦然と輝く街乗り重視のSUV

ラディアント・クロスオーバー、燦然と輝く街乗り重視のSUVと銘打ち、1998年に登場したレクサスRXは、何よりもラグジュアリーであることが重視されてきた。当初、日本ではトヨタハリアーと呼ばれていた。

2005年にハイブリッド版が登場。滑らかに回るV6エンジンに電気モーターが追加され、上質な印象は更に引き上げられた。

レクサスRX 450h+ Fスポーツ・デザイン(英国仕様)
レクサスRX 450h+ Fスポーツ・デザイン(英国仕様)

走りは至って快適。駐車場が酷くぬかるんでいても、苦労せずに脱出できる。そして最大の強みは、運転体験や悪路性能ではなく、快適さと豪華さであり続けてきた。

今回長期テストに加わったのは、最新の5代目。Fスポーツ・デザインというグレードで、容姿は威厳を漂わせる。肉薄なタイヤに包まれた、21インチ・ホイールがスポーティだ。

それでも、発進すればしっかり快適。6速ATとトルクベクタリング機能が備わる500hと異なり、450h+は従来的なe-CVTだが、18.1kWhと大きめの駆動用バッテリーと強力なモーターが組み合わされ、トルクフルで印象は悪くない。

先代と異なるのは、3.5L V6エンジンを選べなくなったこと。450h+には、184psで燃費重視の2.5L 4気筒が積まれる。同時にプラグイン・ハイブリッドとなり、電気だけで最長67km走れることが、新たな売りとして掲げられる。

電気モーターは前後へ1基づつ載り、システム総合の最高出力は308ps。0-100km/h加速は6.5秒とのこと。車重が2.1t以上あるハイブリッドのクロスオーバーとして、悪くない動力性能といえるだろう。

支持率向上へ貢献したプラグインHV

プラグイン・ハイブリッドは、RXの支持率向上へ貢献している。2023年には、欧州市場で過去最大の数が売れたという。基本は北米市場を向いたモデルといえるが、大西洋の反対側でも、充分な共感を集めている。

レクサスは、RXが世界初の高級クロスオーバーだと主張する。古くからレンジローバーを提供してきたランドローバーと、ワゴニアを生み出したジープからは、異論が出るかもしれないが、このカテゴリーでモノコック構造を先んじて採用したのは間違いない。

レクサスRX 450h+ Fスポーツ・デザイン(英国仕様)
レクサスRX 450h+ Fスポーツ・デザイン(英国仕様)

それにより、乗用車ライクな走りを獲得。先述の、ラグジュアリーさへ結びついている。グレートブリテン島のアスファルトでは、21インチのアルミホイールが、衝撃を伝えることはある。それでも、RXの全体的な洗練度は高い。

ドアのシール材は太く、強めにハンドルを引かないと半ドアになりがちだが、包まれ感のある静かな車内空間へ寄与。パワーウインドウの動作は、閉まる時に徐々に速度が落ちる制御で、急激な気圧変化を抑えている。

ホイールベースは2850mmあり、先代から60mmプラス。車内空間が拡大され、前席に高身長なドライバーが座っても、後席で大柄な大人がゆったり過ごせる。豪華な住宅のリビングのように。

荷室容量は、トノカバー下で461L。7シーターも選べるBMW X5ボルボXC90より狭いものの、プラグイン・ハイブリッドとしては優秀。燃料タンクは55Lと大きくはないが、改善する平均燃費でまかなえると判断されたようだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    アラステア・クレメンツ

    Alastair Clements

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

長期テスト レクサスRXの前後関係

前後関係をもっとみる

関連テーマ

コメント

おすすめ記事

 
×