整備士泣かせ? 作りが複雑すぎるクルマ 17選 驚くほど手の込んだ構造
公開 : 2025.03.22 18:25
スバルSVX(1991年)
クーペのXT(日本名:アルシオーネ)が不振に終わったスバルは、それでも2ドアへの熱意を捨てることなく、新たにSVX(日本名:アルシオーネSVX)を投入した。これは、日産300ZXやトヨタ・スープラなどが占める領域に、さらに高級なモデルとして参入しようという決意の表れであった。そのために、スバルは3.3Lの水平対向6気筒エンジンと、その234psのパワーを最大限に活用できる四輪駆動を採用した。
しかし、こうしたパワートレインや、ミッドフレーム・ウインドウなどの新しい機構に購入者は懐疑的だった。高い価格設定と相まってSVXの販売は苦戦し、インプレッサがラリーを席巻すると、すぐに忘れ去られてしまった。

ジャガーXJ220(1992年)
ジャガーXJ220のコンセプトモデルと市販車の相違については、すでに十分に認知されているが、そうなった原因はすべて複雑な設計にある。最初のショーモデルにはドライサンプ方式のV12エンジンと四輪駆動システムが搭載されていたが、四輪すべてに駆動力を伝えるミドエンジン・スーパーカーを実際に量産化する経験は、ジャガーにはなかった。
また、ジャガーのレーシングカーでは使用されていたものの、V12エンジンは市販車としては物理的に大きすぎた。最終的にはMGメトロのV6エンジンを大幅に改良したものがXJ220の市販バージョンに採用され、コンセプトモデルよりもはるかにシンプルに仕上がったにもかかわらず、修理やメンテナンスは依然として難しいものである。

ポルシェ911タルガ(1996年)
タルガは常にポルシェ911シリーズの中では折衷案的な存在であり、完全なカブリオレではないものの、オープンエアのドライブを楽しめるモデルである。初期のタルガはルーフパネルが簡単に取り外せるようになっていたが、1996年の993世代で初めてスライド式ガラスパネルが採用された。これは巨大なサンルーフのようなもので、後方にスライドしてリアウインドウの下に格納されるが、そのため後方視界が妨げられてしまう。
993の優れた特徴の1つに、ガラス製のポップアップ式ウインドディフレクターが挙げられるが、996では古典的なファブリック製のものに変更された。993と同様に、後期の996タルガはカブリオレのボディシェルをベースとしており、タルガのルーフ構造はクーペほど剛性が高くないため、多くのオーナーからきしみ音に対する苦情が寄せられた。

991では、ポルシェはカブリオレモデルと同じように、ルーフパネルをリアデッキの下に格納するという複雑なソリューションを考案した。
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