ただのスクラップと思いきや… 廃車置き場の隠れた逸品 40選(前編) ジャンクヤード探訪記

公開 : 2025.03.23 18:25

1948年型クロスリー・ステーションワゴン

ノーズコーンが本物であれば、このクロスリーのステーションワゴンは1948年半ばくらいのモデルだろう。クロスリーは1939年から1952年まで断続的に自動車を製造し、最も多く売れた1948年は2万5000台近くを出荷した。現在では、主にその目新しさから、比較的高い現存率を保っている。これらの車両は、米国の解体業者の看板として高い塔の上に置かれているのが最も一般的で、通行人への広告となっている。

1948年型クロスリー・ステーションワゴン
1948年型クロスリー・ステーションワゴン

1959年型ナッシュ・メトロポリタン

これもまた、高い現存率を誇る奇妙なモデルである。1953年から1961年の間に、およそ8万3000台のナッシュ・メトロポリタンが米国で販売された。製造地の英国では、オースチン・メトロポリタンとして知られていた。この車両はおそらく1959年製で、開閉式トランクリッドが初登場した年である。風雨により内装はひどく傷んでいるが、ボディはまだしっかりしている。

1959年型ナッシュ・メトロポリタン
1959年型ナッシュ・メトロポリタン

1958年型マーキュリー・コロニー・パーク

この写真を見れば、このヤードの広さと、保管されている車両の質の高さがよくわかる。写真中央にあるのは、1957年から1991年まで製造されたマーキュリーの最高級フルサイズステーションワゴン、1958年型コロニー・パークである。V8エンジンを搭載したコロニー・パークは当時、0-97km/h加速10秒以下を誇った。

1958年型マーキュリー・コロニー・パーク
1958年型マーキュリー・コロニー・パーク

1962年型キャデラック・スーペリア

これが1959年型のキャデラック・ミラーメテオであれば、間違いなく誰かに拾われて、ゴーストバスターズのレプリカ救急車に生まれ変わっていたことだろう。しかし、そうはならなかった。この車両は、はるかに知名度の低い1962年型のキャデラック・スーペリア(Superior)である。1962年には合計2280台のキャデラック・フリートウッド75の商用シャシーがコーチビルダーに供給され、救急車、霊柩車、花屋に改造された

1962年型キャデラック・スーペリア
1962年型キャデラック・スーペリア

1959年型エドセル・ヴィレジャー

1959年型ヴィレジャーは、エドセルのステーションワゴンの最廉価グレードであり、丸型のテールライトが装備されていた(ただし、写真の車両には残っていない)。これは、1958年型で装備されていたブーメラン型のライトに代わるもので、左側の方向指示器が右を向いた矢印のように見える(逆も然り)という問題があった。ヴィレジャーは6人乗りと9人乗りが用意されていたが、1958年から1960年の間に売れたのは8000台にも満たない。

1959年型エドセル・ヴィレジャー
1959年型エドセル・ヴィレジャー

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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