ただのスクラップと思いきや… 廃車置き場の隠れた逸品 40選(前編) ジャンクヤード探訪記

公開 : 2025.03.23 18:25

1949年型パッカード

命を賭けてまで断言するつもりはないが、この「バスタブ」型のパッカードは1949年製だと思われる。その形状は、パッカード史上最も醜いとされており、「妊娠した豚(pregnant pig)」というひどいあだ名が付けられた。パッカードは1899年に設立され、高級車の製造で羨望の的となる評判を築いたが、1950年代にはビッグスリーとの競争に苦戦し、1953年にスチュードベーカーと合併した。同ブランドは1960年代末までに廃止された。

1949年型パッカード
1949年型パッカード

1964年型オールズモビル・ダイナミック88

驚くべきことに、この1964年型オールズモビル・ダイナミック88のコンバーチブルは、ガラスをすべて維持している。しかし、役には立っていない。ルーフがないため、内装は完全に破壊されている。この車両は、ハートフォードから約400km離れたミネソタ州ホプキンスのタウンズ・エッジ・オールズモビルという店で販売されたものだ。

1964年型オールズモビル・ダイナミック88
1964年型オールズモビル・ダイナミック88

1946年型デソート・デラックス・クーペ

この超レアな戦後初期のデソート・デラックス・クーペの正確な製造年を特定するのは難しいが、1946年から1948年の間に製造されたものと思われる。この3年間に製造された台数は2000台にも満たず、現存するのはそのごく一部である。再び走らせるには、多くの時間と費用がかかるだろうが、やりがいのあるプロジェクトであることは間違いない。

1946年型デソート・デラックス・クーペ
1946年型デソート・デラックス・クーペ

1958年型デソート・ファイアスイープ

もう1台の珍しいデソート、1958年型4ドアのファイアスイープをご紹介しよう。ボディワーク(特徴的なテールフィンを含む)の状態は良好だが、残念ながらこの車両には、クライスラー製V8エンジンと「トルクフライト(TorqueFlite)」オートマチックトランスミッションが残っていない。1958年当時、米国は不況に陥っており、デソートの販売も打撃を受けた。販売台数はわずか5万台で、そのうちセダンのファイアスイープは7646台だった。

1958年型デソート・ファイアスイープ
1958年型デソート・ファイアスイープ

1951年型リンカーン・コスモポリタン

この1951年型リンカーン・コスモポリタン・コンバーチブルのフロント部分に白い「M」の文字がスプレーされている理由はわからない。自動車解体業者が最もよく使う文字は、「保存」を意味する「S」か、あるいは「破砕機行き」を意味する「X」である。1951年までに、リンカーンの “バスタブ” スタイルは時代遅れになりつつあり、販売台数にもその傾向が反映されている。3891ドルを支払ってこのオープントップモデルを買ったのは、わずか857人だった。

1951年型リンカーン・コスモポリタン
1951年型リンカーン・コスモポリタン

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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