【詳細データテスト】メルセデス・ベンツEクラス 強力で扱いやすいエンジン 高バランスのハンドリング

公開 : 2025.03.22 20:25

走り ★★★★★★★★★☆

直6エンジンはスムースに始動し、巡航速度まで楽に心地よく加速する。今や時代錯誤なエンジンかもしれないが、みごとなエンジンだ。48VのISGによる23psのアシストもあり、どんな時も場合も相方になってくれるワゴンとしてこの上ない。

9速ATの変速も、このエンジンのキャラクターにすばらしくマッチしている。シフトの仕方も非常によく考えられていて、回転数やギアを問わず、2.1tもの重さを楽に引っ張ってくれる。

エンジンレスポンスはリニア。ディーゼルらしく、あまり回さなくても力強く加速する。
エンジンレスポンスはリニア。ディーゼルらしく、あまり回さなくても力強く加速する。    JACK HARRISON

このエンジンが4500rpmのレッドライン付近より低回転域で実力を発揮することは、4速・48−113km/hのタイムを見れば明らかだ。4.2秒というのは、キックダウンするよりコンマ1秒速いのである。しかも信じ難いことに、AMG GT63と比較してコンマ2秒速いのだ。

電気回転式ターボチャージャーがドライバビリティをどれくらい改善したか、数値化するのは難しい。それは、このシステムがうまく組み込まれているからだろう。このパワートレインは、76.5kg−mのポテンシャルを引き出すのに無駄な時間がかからないようで、フルスロットルではブースト感が残るが、問題になるほどではない。

そのスペックを考えれば、マッチョなディーゼルとしてはリニア。右足で調整するのは容易だ。

記事に関わった人々

  • 撮影

    ジャック・ハリソン

    JACK HARRISON

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    関耕一郎

    Kouichiro Seki

    1975年生まれ。20世紀末から自動車誌編集に携わり「AUTOCAR JAPAN」にも参加。その後はスポーツ/サブカルチャー/グルメ/美容など節操なく執筆や編集を経験するも結局は自動車ライターに落ち着く。目下の悩みは、折り込みチラシやファミレスのメニューにも無意識で誤植を探してしまう職業病。至福の空間は、いいクルマの運転席と台所と釣り場。

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