【10年経っても変わらぬ魅力】押し出しは控えめで走りは穏やか!新型ボルボXC90は同クラスSUVで貴重な存在

公開 : 2025.03.24 11:45

加速はかなり力強く、最上級グレードであることを実感

予想より小振りでタイトな運転席に座り、センターコンソールのダイヤルを回してパワーユニットをスタートする。といってもPHEVなので発進はモーターだ。

新型ではMHEVのエンジンがミラーサイクルとなるなどの改良を実施し5.3%の燃費改善を図ったが、PHEVは変更なし。センタートンネルにバッテリーを積み、フロントはエンジンとアシストや回生も行うスタータージェネレーター、リアはモーターで駆動する。モーターのみでの走行可能距離は73kmだ。

加速はかなり力強く、最上級グレードであることを実感する。
加速はかなり力強く、最上級グレードであることを実感する。    中島仁菜

加速はかなり力強く、最上級グレードであることを実感する。たまに始動するエンジンは、昔に比べると洗練された回り方になり、PHEVなのであまり高回転まで回さないこともあって、存在はほとんど気にならない。

クリープ機能をオフにしたうえで、DレンジからBレンジに切り替えると、いわゆるワンペダルドライブができるが、先日乗る機会のあったEX30同様、挙動はさほど唐突ではないので、気がつくと多用していた。

PHEVはエアサスが標準装備とのことで、乗り心地はボルボらしくしっとりしていた。ハンドリングもシャープではないものの、狙ったとおりに進んでいく。AWDではあるが、リアモーターの働きは控えめで、前輪主導で安定志向のハンドリングだった。

今回のマイナーチェンジで、XC90の価格はすべて1000万円以上になった。試乗したグレードは1294万円だ。でも押し出しは控えめで、走りは穏やか。このクラスのSUVでは貴重な存在だ。日本でも年間1000台以上をコンスタントに売っている理由は、この佇まいによるところが大きいのかもしれない。

ボルボXC90のスペック

ボルボXC90ウルトラT8AWDプラグインハイブリッド
全長×全幅×全高:4955×1960×1775mm
ホイールベース:2985mm
車両重量:2300kg
エンジン形式:直列4気筒DOHC16バルブターボ
排気量:1968cc
最高出力:233kW(317ps)/6000rpm
最大トルク:400Nm(40.8kg-m)/3000-5000rpm
モーター定格出力:F32.5kW R99.0kW
モーター定格電圧:F450V R470V
最高出力:
フロント52kW/3000-4500rpm
リア107kW/3280-15900rpm
モーター最大トルク:
フロント165Nm/0-3000rpm
リア309Nm/0-3280rpm
バッテリー電圧/容量:369V/51Ah
バッテリー総電圧:18.8kW
駆動方式:AWD
燃料タンク容量:50L
ギアボックス:8速AT
タイヤ:F&R275/35R22
サスペンション:Fダブルウィッシュボーン Rマルチリンク
ブレーキ:F&Rパワーアシスト付きディスク
燃料消費率(WLTCモード):13.3km/L
価格:1294万円
取材車価格:1358万3600円

ボルボは2L直列4気筒を最大としており、XC90も同様となる。
ボルボは2L直列4気筒を最大としており、XC90も同様となる。    中島仁菜

記事に関わった人々

  • 執筆

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。
  • 撮影

    中島仁菜

    Nina Nakajima

    幅広いジャンルを手がける広告制作会社のカメラマンとして広告やメディアの世界で経験を積み、その後フリーランスとして独立。被写体やジャンルを限定することなく活動し、特にアパレルや自動車関係に対しては、常に自分らしい目線、テイストを心がけて撮影に臨む。近年は企業ウェブサイトの撮影ディレクションにも携わるなど、新しい世界へも挑戦中。そんな、クリエイティブな活動に奔走しながらにして、毎晩の晩酌と、YouTubeでのラッコ鑑賞は活力を維持するために欠かせない。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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