【今ボルボはどうなっている?】日本でも予想以上に電動化が浸透!明確なメッセージにスウェーデンらしい実直さ

公開 : 2025.03.25 11:45

購入者の平均年齢はXC90がもっとも若い

さらに驚いたのは購入者の平均年齢で、XC90がもっとも若いとのこと。3列シートを備えているのでファミリー層が多いというのが理由だった。

新型では全車1000万円以上で、駐車場はもちろん、アクセスする道路も含めて恵まれた環境が必要になる。世の中には若くしてそのレベルのクルマをポンと買える人がけっこういるんだと、なんとも言えない気持ちになった。

ボルボ購入者の平均年齢がもっとも若いというXC90。3列シートを備えるのでファミリー層が多い。
ボルボ購入者の平均年齢がもっとも若いというXC90。3列シートを備えるのでファミリー層が多い。    中島仁菜

ちなみに欧州では、クルマなど付加価値の高い商品にかかる消費税は日本よりも高い国が多く、スウェーデンでは25%に達する。それでもボルボのようなプレミアムブランドが安定して売れるのは、カンパニーカー制度が大きいという話もあった。

会社としての購入であれば当然ながら、環境対策など社会的な使命を果たしていく必要がある。とりわけ欧州は環境意識の高い地域だ。よってカンパニーカーの電動化は必須のような状況であり、安全性の高いブランドを選ぶこともまた企業としてのメッセージになる。

こうした背景を考えると、ボルボは安定してカンパニーカーとして選ばれ続けているブランドのひとつではないかと想像できる。

ただし最近は日本でも、企業の環境意識の高まりから、企業が社員向けの車両としてEVを用意し、駐車場に充電施設やソーラーパネルを用意するというし、それを通勤に使ってもらうという動きは出てきた。

日本でも、クルマ通勤が一般的になっている地方の企業がこのような投資をするときには、ボルボは役員レベルの人たちの車種としてふさわしい選択肢に思えるし、個人的には地域活性化のひとつとして、推進していってもいいのではないかと感じた。

記事に関わった人々

  • 執筆

    森口将之

    Masayuki Moriguchi

    1962年生まれ。早稲田大学卒業後、自動車雑誌編集部を経てフリーランスジャーナリストとして独立。フランス車、スモールカー、SUVなどを得意とするが、ヒストリックカーから近未来の自動運転車まで幅広い分野を手がける。自動車のみならず道路、公共交通、まちづくりも積極的に取材しMaaSにも精通。著書に「パリ流環境社会への挑戦」(鹿島出版会)「MaaSで地方が変わる」(学芸出版社)など。
  • 撮影

    中島仁菜

    Nina Nakajima

    幅広いジャンルを手がける広告制作会社のカメラマンとして広告やメディアの世界で経験を積み、その後フリーランスとして独立。被写体やジャンルを限定することなく活動し、特にアパレルや自動車関係に対しては、常に自分らしい目線、テイストを心がけて撮影に臨む。近年は企業ウェブサイトの撮影ディレクションにも携わるなど、新しい世界へも挑戦中。そんな、クリエイティブな活動に奔走しながらにして、毎晩の晩酌と、YouTubeでのラッコ鑑賞は活力を維持するために欠かせない。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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