【祝クラウン生誕70周年】昔のクラウンはもっとクラウンらしかった!

公開 : 2025.04.04 11:45  更新 : 2025.04.06 09:56

今年でトヨタ・クラウンは70周年。さすがクラウン。だけど喜んでばかりでいいのでしょうか? 新型クラウンはクラウンらしくない、という声も聞こえてきます。歴代モデルを振り返り、クラウンらしかったモデルを思い出してみませんか? 7代目から14代目までを順番に振り返ります。

7代目(1983〜1987年/通称12クラウン)『いつかはクラウン』のキャッチフレーズを使用

昭和40年生まれで今年還暦の筆者にとって、ちょうど普通自動車免許を取った年にデビューしたのがこの7代目クラウンだ。石坂浩二のナレーションによる『いつかはクラウン』のテレビコマーシャルが行われたモデル。裕福な家に生まれた友人のお父さんがデビュー後すぐに買って乗っていて、大いに憧れたものだ。

このモデルにはセダンやワゴン、ライトバンもあったが、ダントツで憧れたのは4ドアハードトップの最上級グレードにあたる2.8L直列6気筒エンジンを積んだ(後に3.0Lにバージョンアップされた)3ナンバー車の『ロイヤルサルーンG』の白色ボディに尽きる。『クリスタル・ピラー』と呼ばれたCピラーの樹脂処理がスタイリング上の大きな特徴となっており、これがじつに優雅な雰囲気を醸し出していた。

7代目トヨタ・クラウン
7代目トヨタ・クラウン    トヨタ自動車

室内ではオプション装備も含めデジタルメーターやオートエアコン、ドライブコンピュータ、高級オーディオなどが装備されており、乗り心地も快適そのもので、「これぞクラウン」という説得力を持っていた。また、2L直列6気筒エンジン搭載車ではターボ・モデル(後にスーパーチャージャーモデルに進化)なども用意されており、クルマ好きの気持ちをくすぐった。

8代目(1987〜1999年 注:ハードトップは1991年まで/通称13クラウン)さすがはバブル絶頂期に登場したクラウン!

全長4860mm、全幅1745mm、全高1400mmのスリーサイズ。8代目クラウンの4ドアハードトップの『ワイドボディ』車の数値である。

この時代までの3ナンバー車のボディ外寸の拡張は、5ナンバー車とは異なる大型バンパーや厚みを増したサイドプロテクションモールによるものが大半であった。翻って8代目クラウンの4ドアハードトップ・ワイドボディ車では、バンパーの長さに加えてフェンダーやドアを専用のものとしてボディ拡張を行ったのである。バブル期において、これが大変な人気となり、3.0L車に加えて2.5L車、さらには2.0L車のワイドボディもラインナップに加わったほどだ。

8代目トヨタ・クラウン 4ドアハードトップ ロイヤルサルーンG
8代目トヨタ・クラウン 4ドアハードトップ ロイヤルサルーンG    トヨタ自動車

さらに、1989年に行われたマイナーチェンジ時には、初代セルシオに先んじて4.0L V型8気筒エンジンを搭載した最上級モデルも用意された。これが次の世代で登場する『クラウンマジェスタ』の原型と言われている。

その他、メカニズム的にはロイヤルサルーンGの足まわりにエアサスペンションを採用したり、エレクトロマルチビジョン(カーナビ機能付き)を用意したりしていた。試乗した印象も静粛性が高く、エアサス車の乗り心地も素晴らしいものであった。今でもたまに見かけることがあることから、人気の高さと耐久性の高さも謳っていいだろう。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 編集

    木原寛明

    Hiroaki Kihara

    1965年生まれ。玉川大学では体育会ノリの自動車工学研究部に所属し、まだ未舗装だった峠道を走りまくった。最初の愛車(本当は父のもの)は2代目プレリュード(5MT)。次がフルチューンのランサーEXターボ。卒業してレースの世界へと足を踏み入れたものの、フォーミュラまで乗って都合3年で挫折。26歳で自動車雑誌の編集部の門を叩き、紙時代の『AUTOCAR JAPAN』を経て、気が付けばこの業界に30年以上。そろそろオーバーホールが必要なお年頃ですが頑張ります!

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