アウディ『A1』と『Q2』は来年生産終了へ 新型EVにバトンタッチ

公開 : 2025.03.26 18:45  更新 : 2025.03.26 22:09

アウディのコンパクトモデル『A1』と『Q2』は来年生産を終了し、その間接的な後継車として新型のEVが発売される予定です。Q4 eトロンとプラットフォームを共有する小型のクロスオーバーになると予想されます。

アウディ最小モデルが引退 新型はMEB採用か

アウディは来年、小型ハッチバック『A1』と小型SUV『Q2』の生産を終了し、代わりにエントリーモデルの新型EVを発売する。

このモデルはQ4 eトロンの下に位置し、同社のラインナップの中で最も小型かつ安価なEVとなる。事実上、A3やQ3の間接的な後継車として計画されている。

『A1』と『Q2』はアウディのボトムエンドを支えるエントリーモデルだ。
『A1』と『Q2』はアウディのボトムエンドを支えるエントリーモデルだ。

アウディのCEOであるゲルノート・デルナー氏は、AUTOCARの取材に対し、「2026年にA1とQ2の生産を終了する」という従来の計画に変更はなく、「A1の後継車は絶対にない」と語った。

同氏は「Aセグメントの下位モデルも用意する」と付け加えたが、これはA3のサイズとポジショニングのモデルにアウディが使用している呼称だ。「また、インゴルシュタットで来年生産開始予定のクルマもあります。これは、当社のAセグメントのエントリーレベルBEVです」

デルナー氏は、新型車の詳細を明かすのは時期尚早だとしながらも、フォルクスワーゲン・グループの次期SSPプラットフォームの市販導入が2028年であることを踏まえ、Q4 eトロンと同じMEBプラットフォームを採用する可能性が高いと述べた。

「当社の戦略における非常に良い部分として、Aセグメントではフォルクスワーゲン・グループのシナジー効果を活用していることが挙げられます。他のブランドと共有するプラットフォームを使用し、クワトロ、パワー、テクノロジーの面でアウディの差別化を図っています」

「この戦略は非常に健全であり、引き続き推進しています。これはまた、バッテリーEVの時代における当社の戦略でもあります」

これまでに明らかになっている情報によると、新型EVの価格は3万ポンド台半ばから後半(約680~780万円)になる見込みで、ハッチバックとクロスオーバーの中間的なボディスタイルになる可能性が高い。おそらく、サイズや形状が近い兄弟ブランドの新型スコダ・エルロックと似たようなものになるだろう。デルナー氏は以前、新型車を「ユニークで独立したコンセプト」と表現している。

現行モデルのA1やQ2の直接的な後継車ではないため、新しい名称が与えられる可能性がある。長らく使われていなかった『A2』の名称が復活するかもしれない。デルナー氏は、今後の新型車の命名戦略については明言を避けたが、ブランドの過去の名称を再使用することは「あり得る」と述べた。

Q4 eトロンと同様に、新型車はプレミアム性を前面に押し出したモデルとなるだろう。

デルナー氏は次のように述べた。

「わたしは、AセグメントからDセグメントまでプレミアム性を示すのにふさわしいブランドはアウディだと信じています。世界にそのようなブランドは多くありませんが、アウディはAセグメントでも真のプレミアム性を提供できると思います。下位のセグメントでも、非常にエモーショナルで魅力的なモデルを開発するつもりです」

記事に関わった人々

  • 執筆

    フェリックス・ペイジ

    Felix Page

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

関連テーマ

コメント

おすすめ記事

 
×