【道具フォルクスワーゲンの真骨頂】8.5代目ゴルフはディーゼルこそ最高の1台!

公開 : 2025.03.27 12:05

写真からも伝わる地味さがいい

そして何よりもいいと思ったのが、写真からも伝わるこの地味さだ(褒め言葉です)。オイスターシルバーメタリックと呼ばれるボディカラー、控えめな17インチのホイールデザイン、派手さを感じさせない内装。まさに『道具フォルクスワーゲン』デザインの真骨頂だと思う。

しかし運転していて昔ほどシンプルすぎる感じを受けないのは、12.9インチモニターの恩恵だろう。また、ゴルフも年々サイズが大きくなって……と感じていたが、他のモデルも軒並み大きくなっているので、全長4295mm、全幅1790mm、全高1475mmのゴルフは、むしろ街中でちょうどいいサイズに思えてきた。

オイスターシルバーメタリックと呼ばれるボディカラーが道具っぽさを高めている。
オイスターシルバーメタリックと呼ばれるボディカラーが道具っぽさを高めている。    中島仁菜

続いて乗ったeTSIのRライン。Rとは言うものの足まわりはガチガチでなく、たまに「もしかしてちょっと硬い?」と思う程度。18インチのタイヤというよりも、ヘッドレスト一体型のシートがそう思わせるのかもしれない。地味な(繰り返しますが褒め言葉です)アクティブ・アドバンスと比べると、正直Rのデザインはかなりカッコよく洗練されており、極端に書けば、実用車とプレミアムカーぐらいの違いがある。

走り出してみると、TDIとはアクセルに対する反応が違っていて、すぐに力強く加速するディーゼル(TDI)に対し、マイルドハイブリッド(eTSI)はジワっと加速し始める感じがした。あくまで比較の話なので、毎日乗っていれば気にならないかもしれないが、購入を検討されている方は、試乗で確かめることをお勧めしたい。

フォルクスワーゲンらしさとは何か、とは難しい問いだが、個人的には『道具フォルクスワーゲン』という言葉に尽きると思っている。機械、道具としていかに優れているか。今回の2台で言えば、特にTDIは道具として最高の選択肢になり得ると感じた。道具という意味では、ワゴンならなおよしであろう。

フォルクスワーゲン・ゴルフのスペック

フォルクスワーゲン・ゴルフTDIアクティブ・アドバンス
全長×全幅×全高:4295×1790×1475mm
ホイールベース:2620mm
車両重量:1430kg
エンジン形式:直列4気筒DOHCディーゼルターボ
排気量:1968cc
最高出力:110kW(150ps)/3000-4200rpm
最大トルク:360Nm(36.7kg-m)/1600-2750rpm
燃料タンク容量:51L
ギアボックス:7速AT(DSG)
タイヤ:F&R255/45R17
燃料消費率(WLTCモード):20.8km/L
価格:450万8000円

フォルクスワーゲン・ゴルフeTSI Rライン
全長×全幅×全高:4295×1790×1475mm
ホイールベース:2620mm
車両重量:1350kg
エンジン形式:直列4気筒DOHCターボ
排気量:1497cc
最高出力:110kW(150ps)/5000-6000rpm
最大トルク:250Nm(25.5kg-m)/1500-3500rpm
燃料タンク容量:51L
ギアボックス:7速AT(DSG)
タイヤ:F&R255/40R18
燃料消費率(WLTCモード):18.7km/L
価格:455万3000円

フォルクスワーゲン・ゴルフTDIアクティブ・アドバンスのエンジンルーム。
フォルクスワーゲン・ゴルフTDIアクティブ・アドバンスのエンジンルーム。    中島仁菜

記事に関わった人々

  • 執筆 / 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。
  • 撮影

    中島仁菜

    Nina Nakajima

    幅広いジャンルを手がける広告制作会社のカメラマンとして広告やメディアの世界で経験を積み、その後フリーランスとして独立。被写体やジャンルを限定することなく活動し、特にアパレルや自動車関係に対しては、常に自分らしい目線、テイストを心がけて撮影に臨む。近年は企業ウェブサイトの撮影ディレクションにも携わるなど、新しい世界へも挑戦中。そんな、クリエイティブな活動に奔走しながらにして、毎晩の晩酌と、YouTubeでのラッコ鑑賞は活力を維持するために欠かせない。

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