日産 航続距離600kmの新型『リーフ』初公開 第3世代はクロスオーバーへと一新

公開 : 2025.03.28 07:45

日産は第3世代となる新型『リーフ』を発表しました。アリアと同じCMF-EVプラットフォームをベースに、空力重視のデザイン(目標Cd値0.25)を採用。早ければ年内に発売されると期待されています。

トレンド意識しつつ空力重視のデザインへ

日産は3月26日、第3世代となる新型EV『リーフ』の量産モデルを初めて公開した。航続距離約600kmのクロスオーバーへと一新され、今年半ばに正式発表される予定だ。

リーフは2010年に世界初の量産型EVとして発売され、最初の2世代はハッチバック型であったが、新型ではトレンドを意識し、大きな転換を遂げた。

第3世代となる新型『リーフ』はコンパクトクロスオーバーへと進化した。
第3世代となる新型『リーフ』はコンパクトクロスオーバーへと進化した。    日産

新型リーフは、アリアと同じルノー・日産・三菱アライアンスのCMF-EVプラットフォームを採用している。また、今後発表予定のジュークEVとも多くの基本部品を共有することになる。

欧州仕様車は、英国サンダーランドにある日産工場で生産される。同工場は現在、EVの増産に向けて大規模な拡張工事を行っている。

現行型と比較して全長はわずかに短くも見えるが、車高が高くなったことで存在感が増している。スタイリングはアリアから影響を受けつつ、空力特性に重点を置いて開発されている。目標とする空気抵抗係数(Cd値)は0.25で、エネルギー消費効率(電費)と航続距離の向上が図られる。

パワートレインなどの詳細はまだ明らかにされていないが、欧州製品責任者のフランソワ・バイリー氏は新型リーフの航続距離は600km以上になると述べ、「実環境での航続距離」を重視しているとした。

同氏はさらに、「高速道路でどれだけ走れるかが鍵であり、それが空力特性を考慮した美しい形状になっている理由です。わたし達が重視したのは実用性です。充電時間を含め、800kmを走るのにどのくらいの時間がかかるかということです」と語った。

日産のグローバルデザイン担当責任者であるアルフォンソ・アルバイサ氏は、新型リーフについて、「テクノロジーの民主化を目指しています。非常にモダンでシンプルかつ素晴らしい。きちんと仕立てられ、ハンサムで、均整がとれ、開放感がありクールなハイテクインテリアを備えたものを追求しました」と説明している。

また、バイリー氏によると、グーグルベースのインフォテインメント・システムや先進運転支援システムを備えた、日産の最新カー&コネクテッドサービス(CCS)プラットフォームによる最新車載システムが搭載されるという。

「生活をより快適にするためのあらゆる機能が備わっています」

「わたし達は、他に類を見ないユニークなクルマを提供できると確信しています。そして、このクルマにとても満足しています」とバイリー氏は自信を見せた。

新型リーフは今年半ばの正式発表の後、年内の発売が見込まれる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジェームス・アトウッド

    James Attwood

    役職:雑誌副編集長
    英国で毎週発行される印刷版の副編集長。自動車業界およびモータースポーツのジャーナリストとして20年以上の経験を持つ。2024年9月より現職に就き、業界の大物たちへのインタビューを定期的に行う一方、AUTOCARの特集記事や新セクションの指揮を執っている。特にモータースポーツに造詣が深く、クラブラリーからトップレベルの国際イベントまで、ありとあらゆるレースをカバーする。これまで運転した中で最高のクルマは、人生初の愛車でもあるプジョー206 1.4 GL。最近ではポルシェ・タイカンが印象に残った。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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