日産 丸目がかわいい新型『マイクラ』発表 ルノーと共同開発のコンパクトEV、年内に欧州発売へ
公開 : 2025.03.28 19:45
日産は第6世代となる新型『マイクラ』を発表しました。欧州向けのBセグメントEVで、日本では販売終了した『マーチ』の最新モデルです。52kWhバッテリー搭載車の航続距離は最大400km超とされています。
ルノー5の兄弟車 EV販売の底上げに
日産は3月26日、欧州市場向けの新型EV『マイクラ(Micra)』を発表した。ルノー5の兄弟車で、Bセグメントのコンパクトハッチバックとして年内に発売される予定だ。
マイクラは『マーチ』の欧州向けの名称で、日本での販売終了後も欧州では生産が続けられており、今回発表された新型は第6世代に数えられる。日産が2026年末までに欧州で発売する3車種の新型EVのうちの1台だ。

新型マイクラの量産モデルの公式画像が公開されるのは初めてだが、2023年発表のコンセプトカー『20-23』のデザイン要素を多く引き継いでいることがわかる。
デザインは日産の欧州デザインセンター(ロンドン)が主導したが、生産はアライアンスパートナーであるルノーがフランスのドゥエで行う。CMF-BEVプラットフォームと技術基盤はルノー5と共有だ。
2002年登場のK12型(第3世代)を思わせるデザイン要素が随所に取り入れられており、特にフロントとリアの丸みを帯びたライトが特徴的である。
日産のグローバルデザイン責任者であるアルフォンソ・アルバイサ氏は、新型マイクラは当初からルノー5と並行して開発され、非常に密接な共同プロジェクトであったと述べた。
ルノーとの共同開発が決まった際、すでにロンドンのデザインスタジオでは新型車のコンセプトに取り組んでいたが、「丸いヘッドライトを検討していたため、たまたまうまくいった」という。
アルバイサ氏は次のように述べている。
「丸い子犬のようなヘッドライトで、もっと可愛らしいものを目指していましたが、ルノーのクルマはちょっとブルドッグのような感じです」
「わたしがマイクラで気に入っているのは、可愛らしい部分もありつつ、ボディやショルダー、タイヤが大きいところです。マイクラのボンネットは大きくなりました」
「ルノーはもう少し角度がついています。初代5はボンネットが下がっていたからです。以前のマイクラはそのようなくさび形のクルマではなかったため、今回エンジニアは本当に頑張ってくれました。なぜなら、車両の前部は安全装備が満載なので、ここに手を加えるのは地雷原を渡るように大変だからです」
日産の発表では、マイクラには40kWhおよび52kWhのバッテリーが搭載され、後者は最大400km以上の航続距離を実現するという。
最高出力については明らかにされていないが、ルノー5では仕様に応じて120psと150psの2段階が用意されている。
日産の欧州製品責任者であるフランソワ・バイリー氏は、マイクラについて、「モビリティだけでなく、感情も提供します。なぜなら、マイクラは欧州で非常に強いブランド力を持っているからです」と述べた。
バイリー氏は目標価格について明言を避けたが、AUTOCARの取材に対して「エントリーレベル」になると語った。参考までに、ルノー5の価格は2万2995ポンド(約450万円)からとなっている。
同氏はさらに、「現在、EVの普及を妨げているのは価格の問題です。車両価格と世帯収入のバランスが悪い方向に進んでいます。人々がEVを購入できるような状況に戻さなければなりません。そこで登場するのがマイクラなのです」と付け加えた。
コメント