イタリア大使館でフェラーリF80が日本初お披露目!【特別な顧客向けイベント、ア・フェラーリ・ナイト開催】

公開 : 2025.04.03 06:05  更新 : 2025.04.03 10:14

昨年秋に発表された最新スペチアーレモデル『フェラーリF80』が、日本初披露となりました。日本グランプリを前にイタリア大使館で開かれた『ア・フェラーリ・ナイト』がその舞台です。元フェラーリ専門誌編集長、上野和秀がレポートします。

お披露目の舞台はイタリア大使館

昨年秋に発表されたフェラーリの最新スペチアーレモデルとなる『フェラーリF80』が、日本でその姿が初披露された。

日本グランプリを前に特別な顧客とチャレンジドライバーを招いて開かれる、恒例となった『ア・フェラーリ・ナイト』だが、今年は4月2日にイタリア大使館を舞台に行われた。

イタリア大使館で日本初お披露目となったフェラーリF80。
イタリア大使館で日本初お披露目となったフェラーリF80。    上野和秀

ア・フェラーリ・ナイトには最新のスペチアーレとなるF80が急遽持ち込まれ、オーナーに公開された。スクーデリア・フェラーリからはF1ピロータのシャルル・ルクレールと、チーム代表のフレデリック・パスールを迎えて華やかに行われた。

パーティに先駆けてメディアにもF80が披露され、こうしてその詳細を紹介することができたのである。

フェラーリF80とはどんなクルマ?

288GTOに始まるフェラーリのスペチアーレモデルの最新作として(フェラーリ自身は『スーパーカー』と呼んでいる)、2024年10月に発表されたのがF80だ。最先端の技術とF1テクノロジーを融合させ、究極のパフォーマンスを備えるスペチアーレとして送り出された。

F80で注目したいのはスペチアーレ初となるV6ターボユニットに、フロントとリアに3基の電動モーターを組み合わせたハイブリッドカーとされたことだ。

900psの3L V6ターボエンジンに加え、3基の電動モーターを加え統合出力は1200psに達する。
900psの3L V6ターボエンジンに加え、3基の電動モーターを加え統合出力は1200psに達する。    上野和秀

900psを発揮する3L V6ターボエンジンに加え、3基の電動モーターを加え統合出力は1200psに達し、フェラーリ・ロードカーの最高値となる。このエンジンとコンポーネンツは、2023、2024年のル・マンを連覇したWECマシン『499P』のパワープラントのテクノロジーが投入されている。

0-100km/h加速は2.15秒、0-200km/h加速は5.75秒でこなし、最高速度は350km/hに達し、歴代のスペチアーレを上回るパフォーマンスを備える。

F80は歴代のスペチアーレ最多となる799台限定で生産される。基本の車両価格は350万ユーロ(現在のレートで約5億6350万円)と発表され、ここにオーナーが選んだ特別装備代が加算される。デリバリーは昨今の生産状況を考えると1年半程度が予想される。

F80の実車を初めて見て感じたこと

これまでの歴代のスペチアーレに接してきたが、F80はすべての面で突き詰められた印象を受けた。そのためクラシックモデルを見慣れた目には、やや冷たく感じたのも事実。F80を見た後に先代のラ フェラーリを見ると、ふくよかなラインを持つスタイリングは、クラシックなイメージになってしまった。

空力を突き詰めたF80の姿は、往年のグループCマシンやWECマシンとの関連性を感じさせ、レースを原点とするフェラーリらしいスタイリングといえる。

実際に見たF80は、すべての面で突き詰められた印象だった。
実際に見たF80は、すべての面で突き詰められた印象だった。    上野和秀

ヘッドライトを隠す『バイザーエレメント』は、ブラック仕上げのため重く平面的に見えてしまい、表情が掴みにくくなっているように思える。

かつてのスペチアーレもデビュー時に違和感を覚える部分があったが、時間と共に理解できるようになっていった。F80もやがて近代フェラーリを象徴するスタイリングとして見えるに違いない。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    上野和秀

    Kazuhide Ueno

    1955年生まれ。気が付けば干支6ラップ目に突入。ネコ・パブリッシングでスクーデリア編集長を務め、のちにカー・マガジン編集委員を担当。現在はフリーランスのモーター・ジャーナリスト/エディター。1950〜60年代のクラシック・フェラーリとアバルトが得意。個人的にもアバルトを常にガレージに収め、現在はフィアット・アバルトOT1300/124で遊んでいる。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

関連テーマ

コメント

おすすめ記事

 
×