フェイスリフトで一層輝くG87 BMW M2へ試乗 S58直6は20ps上昇 レアなMTとの組合せ

公開 : 2025.04.14 19:05

登場から2年を経て、アップデートを受けたG87型M2 見た目はほぼ変わらず 優れた車載機能の操作性 3.0L直6エンジンは20ps増強 レアなMTとの組合せ 英編集部が評価

2年後のアップデート 見た目はほぼ変わらず

2代目BMW M2の登場当初は、自ずと先代のM2 コンペティションと比較された。大きく成長したボディや、遊び心の薄れた運転体験を、指摘せずにはいられなかった。

しかし、それから2年を経て大規模なアップデートを受けた。目下、BMWは全面的なリニューアルの真っ最中。1シリーズから4シリーズまで、ここ1年の内に大きな改良が施されている。そのスケジュールへ、組み込まれていたようだ。

BMW M2 マニュアル(英国仕様)
BMW M2 マニュアル(英国仕様)

2シリーズ・グランクーペも更新されたが、基本的にその4ドアと、この2ドアは別物。グランクーペは前輪駆動のプラットフォームを持つ一方、2ドアは4シリーズ・クーペの縮小版と考えて良い。そのおかげで、本気のMモデルも設定が可能となっている。

アップデートでの見た目の変化は限定的。新しい塗装色が追加された他、従来のデザインのアルミホイールに、シルバーが設定された程度のようだ。

インテリアでは、ステアリングホイールが一新。底辺がフラットになった、リムの外形が与えられている。また、リムヒーターのスイッチが省かれた。

カーボン製バケットシートは、英国では9500ポンド(約185万円)するMレーストラック・パッケージで得られるアイテム。カーボン製のルーフパネルとインテリアトリム、最高速度の上昇、サーキットでのトレーニングプログラム・チケットも付随する。

優れた車載機能の操作性 3.0L直6は20ps増強

ダッシュボードに載るワイドなモニターパネルは、最新バージョンのiドライブを実装。ショートカット・アイコンが追加されている。ソフトウエアはMモデルの専用で、メニュー構造はシンプル。操作しやすい。

運転席の周囲には、実際に押せるハードスイッチが複数残されている。Mモード・ボタンを押すと、運転支援システムが自動的に無効になる。ステアリングホイールにあるM1とM2のボタンは、任意に設定したドライブモードを1発で呼び出せる。

BMW M2 マニュアル(英国仕様)
BMW M2 マニュアル(英国仕様)

左手を降ろすと、ロータリーコントローラー。タッチが良く、手元を見ずにインフォテインメント・システムを操れる。モニターの明るさを調整する、専用ダイヤルもうれしい。こんな車載機能の優れた操作性だけでも、M2を選びたくなってしまう。

だが、もちろんそれだけではない。3.0L直列6気筒ツインターボのS58型エンジンは、20ps増強され、最高出力は459psから479psへ上昇している。発生回転数は、6250rpmで変わりない。

同ユニットを積むM3では、530psを得ている。BMWは強化手段を明らかにしていないが、ソフトウエアの書き換えで叶えたのだろう。最大トルクは6速MTで56.0kg-m、8速ATでは61.1kg-mを発揮するが、従来と変わらず。ただし、発生回転域は拡大した。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    役職:ロードテスター
    ベルギー出身。AUTOCARのロードテスターとして、小型車からスーパーカーまであらゆるクルマを運転し、レビューや比較テストを執筆する。いつも巻尺を振り回し、徹底的な調査を行う。クルマの真価を見極め、他人が見逃すような欠点を見つけることも得意だ。自動車業界関連の出版物の編集経験を経て、2021年に AUTOCAR に移籍。これまで運転した中で最高のクルマは、つい最近までトヨタGR86だったが、今はE28世代のBMW M5に惚れている。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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