ルノー・メガーヌGT 220クーペ
公開 : 2015.02.27 23:50 更新 : 2017.05.29 19:22
■どんなクルマ?
既存のGTラインをベースに、パワー増強を施し、サスペンションの引き締めたモデルが、GT220である。GTよりも速くシャープでありながら、本気仕様のR.S.275よりも取っつきやすいモデルということになる。
組み合わされるエンジンはR.S.275が使用する2.0ℓガソリン・ターボと同じものではあるが、GT200用にデチューンされた結果、220psと34.7kg-mを発揮することになった。
こちらの3ドア・クーペ以外にも、5ドア・ハッチバックやエステートにもGT220レンジを追加予定。大型のエア・インテークをもつバンパーやリアのエアロ・ダイナミック・ディフューザーなどが識別点となる。
その他にもダーク・グレーのドア・ミラーや18インチ・アロイ・ホイールなどGT220ならではのパーツも少なくない。
ここまでの情報を見るかぎり、期待を寄せて良さそうな気もするが、果たしてフォード・フォーカスSTやセアト・レオン180FRなどの主要ライバルの立場を揺るがすことになるのだろうか?
■どんな感じ?
デチューンされたエンジンといえども、たのしさはまったくスポイルされていない。力強さ、エグゾースト・ノート、4000rpm以上の盛りあがり、などどれをとっても楽しませてくれるために設計されているようだ。
クラッチの踏み心地も実に気持ちよく、静止加速から最高速に至るまで、ダッシュに適したギア・レシオのおかげで加速は痛快そのもの。ギアボックスがもう少しショート・ストロークならばさらにシャープな印象になったはずだ。
シャシーやブレーキの調整にも手を抜いていないのは嬉しい。ステアリングも再びキャリブレーションし直されていることから、専用ダンパーとタイヤとの相性もすこぶるいい。
GTラインよりも大径になった前後ブレーキ・ディスクや275と同様のマスター・シリンダーを用いることにより、制動力にも不安はない。
ステアリングから伝わる情報量はやや不足しているものの、正確性と的確な重みのおかげでワインディングを走っても実に楽しい。
たっぷりとしたグリップと最小限に抑えられたロールのおかげで自信をもってコーナーに飛び込める。LSDが装着されていないためバンピーな路面上では気を使いながらアクセルを踏まなければトルク・ステアが生じてしまうけれど、一般的な路面におけるトラクションに不足はない。