マッスルカー愛好家必見 部品取り専用の希少なクライスラー 40選(前編) ジャンクヤード探訪記

公開 : 2025.04.05 18:45

米国の巨大ジャンクヤードを巡り、スクラップ同然のクルマにレンズを向ける探訪記シリーズ。今回はクライスラー、ダッジ、プリムスなど、愛好家の間で「モパー」の名で知られるクラシックカーに焦点を当てます。

ダッジ、プリムス、クライスラーがずらり

少し前、秋の湿った朝に、米イリノイ州オレゴンにあるジャンクヤード『モパー・シティ(Mo-Par City)』を探索する貴重な機会を得た。

モパー(Mopar)とは「モーター」と「パーツ」を組み合わせた造語で、もともとはクライスラー系の純正部品を扱う部門の名称だが、愛好家からはクライスラーのクルマを指す総称としても知られている。そして、その名が示す通り、このジャンクヤードはダッジ、プリムス、クライスラーの部品取り車を専門に扱っており、マッスルカー愛好家なら誰もが一度は訪れるべき場所である。

クライスラー系のクルマは愛好家から「モパー」と呼ばれることがある。
クライスラー系のクルマは愛好家から「モパー」と呼ばれることがある。

今回訪問したジャンクヤードについて

5.5エーカー(約2万2000平方メートル)の敷地に、800台ものクルマが保管されている。その中には非常に人気の高い車種もあり、マッスルカー愛好家にとってはまさに楽園だ。多くの車両はひどく痛んでおり、レストアするには手遅れの状態だが、部品の宝庫であることに変わりはない。屋外保管以外にも、約2800平方メートルもの広さの建物に、新品、中古、再生、新古在庫の部品が展示されている。

1974年に創業したモパー・シティは、オーナーのラリー・ポンタック氏にとってライフワークともいえる存在であった。引退を間近に控えた今、ポンタック氏はそのバトンを次の世代に渡そうとしている。ご覧のクルマ、部品、そして敷地そのものすべてが売りに出されているのだ。マッスルカーの歴史の一部を手に入れるこのチャンスをお見逃しなく。

イリノイ州のジャンクヤード、モパー・シティ(Mo-Par City)
イリノイ州のジャンクヤード、モパー・シティ(Mo-Par City)

ダッジ・チャージャー(1969年)

これまで筆者がジャンクヤードで見つけた1969年型ダッジ・チャージャーの数は片手で数えられるほどだが、モパー・シティには少なくとも10台はあるようだ。どれも状態が良いとは言えないが、今でも存在しているという事実に驚かされる。テレビ番組『爆発! デューク』の撮影で300台の1969年型チャージャーが破壊されたと推定されているが、その多くはフロントフェンダーがこの写真の車両のように激しく損傷している。

ダッジ・チャージャー(1969年)
ダッジ・チャージャー(1969年)

クライスラー・インペリアル・クラウン・クーペ(1965年)

この時代のクライスラー・インペリアルは、頑丈なフレームと構造により、破壊するのが非常に困難であるため、デモリション・ダービー(クルマをぶつけ合う米国の競技)への出場が禁止されることが多い。とはいえ、リアフェンダーの腐食を見ると、この1965年型クラウン・クーペのフレームはそれほど頑丈ではないのかもしれない。

クライスラー・インペリアル・クラウン・クーペ(1965年)
クライスラー・インペリアル・クラウン・クーペ(1965年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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