【ソウルモビリティショー2025】エンタメと新技術が融合!変わりつつある韓国自動車市場における情報発信の方向性

公開 : 2025.04.05 11:05

レクサスは独自の発信拠点でエンタメ

そのほか、キアでは日本にも導入が予定されている商用車『PV5』が注目を集めていた。商用向けのみならず、リアカーゴスペースをキャンピングカーにようにアレンジしたバージョンも披露された。ファッション性も加味したエンタメ的な展示である。

日本でも、トヨタ・ハイエース、日産キャラバン、さらにはホンダフリードを活用して、商用から乗用まで様々な仕様をメーカーや、キャンピングビルダーが提案することが一般化している。だが、この領域でのEVについては、日本ではまだ本格的な動きがない。

レクサスは、ソウル市街近郊に2014年からカフェ中心のブランド発信拠点『コネクト・トゥ・レクサス』を展開。
レクサスは、ソウル市街近郊に2014年からカフェ中心のブランド発信拠点『コネクト・トゥ・レクサス』を展開。    桃田健史

まずは、商用車として日本に導入されるPV5だが、ステランティスのフィアットデュカトのように、ホワイトボディでの販売が始まれば、EVキャンパー市場の拡大への道が切り開かれるように感じる。

そのほか、メルセデス・ベンツGクラスBMWミニ・ブランド中心、BYDシールポルシェはマカンといったコリア・プレミアなどが、来場した報道陣や韓国自動車業界関係者の注目を集めていた。

業界関係者によれば、韓国の年間国内販売総数約180万台のうち、ラグジュアリー分野は約40万台で市場の四分の1に達する。ブランド別では、メルセデス・ベンツとBMWがそれぞれ年間7〜8万台規模で、韓国ラグジュアリーカー分野のツートップとして君臨しているという。それを、ボルボやレクサスを追う展開だ。

今回、レクサスは出展していないが、ソウル市街近郊に2014年からカフェを中心としたブランド発信拠点『コネクト・トゥ・レクサス』を設けるなど、エンタメ性を加味した独自のマーケティング戦略で韓国市場での販売促進活動を行っている。

SNSやネット媒体を含めて、韓国の自動車市場のおける情報発信の方向性が変わってきているなか、ソウルモビリティショーの今後の行方にも注目していきたい。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    桃田健史

    Kenji Momota

    過去40数年間の飛行機移動距離はざっと世界150周。量産車の企画/開発/実験/マーケティングなど様々な実務を経験。モータースポーツ領域でもアメリカを拠点に長年活動。昔は愛車のフルサイズピックトラックで1日1600㎞移動は当たり前だったが最近は長距離だと腰が痛く……。将来は80年代に取得した双発飛行機免許使って「空飛ぶクルマ」で移動?
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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