カリフォルニアT vs 911ターボS vs V12ヴァンテージS
公開 : 2015.02.27 23:55 更新 : 2017.05.29 19:32
テスト当日、われわれのオフィス前に並べられた合目的的という言葉からおよそかけ離れた3台を見た街ゆく人々は、これからお祭りでも始まるのか?と訝しげな視線を投げかけている。
7人乗りのバンや3輪車から、飛び抜けたクラスに属するスーパーカーまでを基本原理に則ってテストするわれわれも、昨日までのテスト車から華やかな3台に気持ちをシフトするのは、いつもそう簡単なことではない。
マニュファクチュラーも然り。無論、苦労の内容はわれわれとは違うが、日夜マイクロメーター片手に、失敗の許されない車両開発に熱心に取り組んでいる。
しかし、失敗が許されないからといって、まったく冒険しないというのはナンセンスなもの。
フェラーリがターボ・ユニットを採用したことと同じように、日々変わる現代のシチュエーションに合わせて柔軟に対応していかなければ、顧客は他のメーカーに目移りしてしまう。
先代のカリフォルニアといえば、他に比べて控えめなルックスとは裏腹に、’初の’ リトラクタブル・ハードトップに ’初の’ デュアル・クラッチAT、’初の’ 前置きV8ユニットと初めてづくしのクルマであった。
なかでも極めつけは、ターボ・ユニットの採用だ。F40以来、実に30年ぶりのことである。