ジェネシスから高級2ドア・スポーツモデル登場 ブランドの「新章」示す意欲作、市販化の可能性も

公開 : 2025.04.07 18:45

ジェネシスが印象的な2台のコンセプトカー『Xグラン・クーペ』と『Xグラン・コンバーチブル』をソウル・モーターショーで発表しました。独特のデザイン要素を採用し、ラグジュアリーブランドとしての未来を示します。

高級志向を強めたG90の派生コンセプト

韓国の高級車ブランド、ジェネシスは2台の新コンセプトカー『Xグラン・クーペ』と『Xグラン・コンバーチブル』をソウル・モーターショーで発表した。

ヒョンデから独立して今年で10年を迎えるジェネシスは、現行のフラッグシップモデル『G90』をベースに、ブランドの「新章」を示すものとしてこの2台を製作した。

ジェネシスの『Xグラン・クーペ』と『Xグラン・コンバーチブル』
ジェネシスの『Xグラン・クーペ』と『Xグラン・コンバーチブル』    ジェネシス

将来的に、ラインナップに新たな派生モデルとして追加することも視野に入れており、フロントとリアのツインライトバーのデザインなど、ベース車のG90と共通する特徴が多い。

デザイン責任者のルーク・ドンカーヴォルケ氏は、モーターショーで記者団に、「人々が1つのタイプのクルマのことしか考えない時代において、ラインナップにさまざまな(バリエーションの)クルマがあることは重要だと思う」と語った。

「わたし達は単にショーのためのショーカーを作っているのではありません」

「このコンセプトカーでは、G90と同じプラットフォームを共有し、ラインナップに組み込める派生モデルを作ることを目指しました。(市販化が可能かどうかは)基本的にビジネスケースによって示されるでしょう。しかし、前向きに検討するのに十分な関心を集めています」

さらに、フレームレスウインドウ、ピラーレスドア、キルティング素材を多用した内装などは量産車に近い仕様であり、実際に発売される可能性をほのめかしている。

この2台は、ジェネシスが2021年と2022年に公開した3台の『Xコンセプト』シリーズを発展させたものだ。Xコンセプトは「ブランドの持つエクスクルーシブなスポーツ性とラグジュアリーなエレガンスを表現する」と説明されていたが、今回の2台はさらに高級志向を強めている。

例えば、ステアリングホイール、センターコンソール、エアコン吹き出し口にはクリスタルが散りばめられており、太陽光が当たると「魅惑的なディスプレイ」を作り出すという。

特にクロスルーフのXグラン・コンバーチブルは、上質なワインのスピリットを表現しており、外装色は圧搾されたブドウを、内装はイタリア・リボルノ地方のカベルネ・ソーヴィニヨンの深く豊かな色合いを表現している。

このラグジュアリーな位置づけは、アルミ製スポークのステアリングホイール、フロントシート後部に埋め込まれたスクリーン、マイクロパーフォレーション加工されたオリーブウッドの使用からも見て取れる。

ドンカーヴォルケ氏によると、2台はG90のプラットフォームのショートホイールベース版を採用し、最高出力415psのマイルドハイブリッドの3.5L V6ガソリンエンジンを搭載しているという。

現在、欧州ではG90はドイツとスイスでのみ販売されている。EV仕様の設定はなく、電動化の計画も発表されていない。

ジェネシスは最近、製品ラインナップの完全EV化計画を撤回し、代わりにハイブリッド車でグローバルラインナップを強化する方針だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    役職:ニュース編集者
    ニュース編集者としての主な業務は、AUTOCARのニュースの方向性を決定すること、業界トップへのインタビュー、新車発表会の取材、独占情報の発掘など。人と話したり質問したりするのが大好きで、それが大きなニュースにつながることも多い。これまで運転した中で最高のクルマは、アルピーヌA110。軽快な動きと4気筒とは思えないサウンドが素晴らしい。
  • 翻訳

    小河昭太

    Shota Ogo

    2002年横浜生まれ。都内の文系大学に通う現役大学生。幼いころから筋金入りのクルマ好きで、初の愛車は自らレストアしたアウトビアンキA112アバルトとアルファロメオ2000GTV。廃部になった自動車部を復活させようと絶賛奮闘中。自動車ライターを志していたところAUTOCAR編集部との出会いがあり、現在に至る。instagram:@h_r_boy_
  • 編集

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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