セアト初のクロスオーバーをジュネーブで発表
公開 : 2015.02.28 22:30 更新 : 2017.06.01 02:11
セアトは、日産キャシュカイのライバルになるクロスオーバーをジュネーブ・モーターショーで発表するが、その初めてのイメージ写真が公開された。
2016年にデビュー予定のこのクロスオーバーは、標準的な5ドアのレオンよりも高い車高を持つことがわかる。そのデザインは2011年に発表されたIBXコンセプトからインスピレーションを受けたものだ。
ベースはフォルクスワーゲン・グループのMQBプラットフォームで、製造はチェコのグループ・カンパニーであるスコダで行われる予定だ。ちなみに、スコダ自身も7シーターのSUVを計画中で、セアトのクロスオーバーと同じ2016年のデビューを予定している。
セアトの会長、ユルゲン・スタックマンは、このクロスオーバーが今までのセアトのモデルの派生モデルを感じさせるようなネーミングではなく、独立したネーミングになると明らかにしている。現時点で、セアトはスポーティなモデルがどのぐらい受け入れられるかを調査中とのことで、これが良い結果になればこのクロスオーバーをベースとしたハイ・パフォーマンス・バージョンであるクブラも検討材料になるという。
それでもスタンダード・モデルでさえ、この新しいクロスオーバーは、日常的なユーザビリティと実用性を確保しつつも、スポーティな味付けがされている。
デザイン・チーフのアレハンドロ・メソネロ・ロマノスは、そのデザインについて “セアトにとって大きなステップだった” と語り、”レオンの大きな兄弟” であるとしている。
このクロスオーバー・モデルは、現在マルトレールのデザイン・スタジオでフル・サイズのスタイル・モデルが造られているところだ。AUTOCARは既にそのスタイルを見ているが、その感想はIBXコンセプトにドラマティックなサイド・ブリスターを与えたといったものだ。また、2011年に登場したIBLコンセプトの要素も取り入れている。
スタックマンは、”クラフトマンシップと、非常に頑強なボディを強調したスタイリングだ” とAUTOCARに話した。
このクロスオーバーは、このセグメントの10%のシェアを獲得することが目標で、それはかなりのボリュームになると予想される。また、
2013年に355,000台を販売したセアト全体のセールスを大きく伸ばす重要なポジションとなる。販売は英国を含み、ヨーロッパを中心とした主要なマーケットで販売される。
「セアトにとって、これは良いニュースだ。世界で最も大きく成長の早いマーケットに、セアトが参入することになるのだから。」とスタックマンはコメントし、このクロスオーバーが実際に生産されることを確認した。
「クロスオーバーの生産は、企業にとって重要な柱であり、継続的な収益を上げるためのもその存在は大きい。」とも語った。
セアトはコンパクトSUVを初めて造るわけではない。というのも2011年以降、アウディQ3をマルトレール工場で生産しているという実績がある。ところが、レポートによれば、セアトのクロスオーバーは、自社のマルトレール工場ではなく、スコダで製造されることとなるそうだ。現在、スコダのクバシニー工場では、スパーブとミニMPVであるルームスターを製造している。AUTOCARは、この工場で新しいイエティも生産すると見ている。
銀行のアナリストは、クバシニー工場は人件費が安いのが魅力だという。その人件費はスペインの半分、そしてドイツの1/3だという。また、その情報筋によれば、スコダの7シーターMPVは既にキャンセルされており、そのため生産能力に余裕ができたため、ともコメントしている。