マクラーレン、新興企業と「衝撃」経営統合 スーパーカー以外にも車種拡大へ CEO独占インタビュー

公開 : 2025.04.08 19:45

マクラーレン・オートモーティブが英国の新興企業フォーセブンとの経営統合を発表。資金や技術など新たなリソースを手に入れ、大幅なラインナップ拡大も視野に事業をスケールアップする方針です。

新しい市場分野への進出も視野に

マクラーレン・オートモーティブは、新興企業フォーセブン(Forseven)と経営統合するという衝撃的な動きに出た。これにより、マクラーレンは初めてミドエンジン・スーパーカーの製造以外に事業を拡大することが可能になる。

マクラーレンの将来を確実なものにし、これまで自社で賄えなかった新しい市場分野に進出するための資本、技術、リソースを手に入れることになる。

経営統合により、従来のミドシップ・スーパーカー以外のモデルにもラインナップを拡大できるようになる。
経営統合により、従来のミドシップ・スーパーカー以外のモデルにもラインナップを拡大できるようになる。

フォーセブンは英国の新興企業で、ライバルの英国自動車メーカーから移籍した著名なデザイナーやエンジニア、経営幹部を含む700人以上の業界プロフェッショナルからなるチームを編成している。そして、新たなブランド名で高級車シリーズを発売すべく、準備を進めている。

両社の共通点は、アブダビ政府系投資会社CYVNホールディングス(CYVN Holdings)であり、今回の統合を促進し、フォーセブンで開発中のモデルをマクラーレンブランドで市場に投入できるようにした。

これにより、フォーセブンは市場への近道を手に入れ、マクラーレンは切望していた事業拡大と安定性を獲得し、フェラーリランボルギーニアストン マーティンベントレーなどとの競争力を高めることができる。

マクラーレン・オートモーティブとフォーセブンの経営統合の話題が明るみに出たのは2月のことで、今回の公式発表はそれを裏付けるものとなった。

新会社『マクラーレン・グループ・ホールディングス(McLaren Group Holdings)』は、フォーセブンのCEOであるニック・コリンズ氏が率いる。同氏はAUTOCARのインタビューで、「わたし達はここ数十年で最もエキサイティングな英国の自動車業界の物語に乗り出そうとしています」と語った。

コリンズ氏は以前、フォードおよびJLRでシニアエンジニアを務め、ディフェンダーレンジローバーなどの開発を指揮していた。

フォーセブンという名称は一般顧客向けのブランドとして意図されたものではなく、今後は使用されなくなる。

「これは単なる仮の名称であり、わたし達は信じられないほどのペースで開発を進めています」と、昨年1月にフォーセブンのCEOに就任した当時のコリンズ氏は述べていた。

新時代のマクラーレンに関する公式情報は、今年後半に発表される予定である。コリンズ氏は、今回の統合発表を上回る「より大きなイベント」を約束した。

それまでの間、同社は6か月間で既存のマクラーレン・オートモーティブ事業の転換を進める。

記事に関わった人々

  • 執筆

    マーク・ティショー

    Mark Tisshaw

    役職:編集者
    自動車業界で10年以上の経験を持つ。欧州COTYの審査員でもある。AUTOCARでは2009年以来、さまざまな役職を歴任。2017年より現職の編集者を務め、印刷版、オンライン版、SNS、動画、ポッドキャストなど、全コンテンツを統括している。業界の経営幹部たちには定期的にインタビューを行い、彼らのストーリーを伝えるとともに、その責任を問うている。これまで運転した中で最高のクルマは、フェラーリ488ピスタ。また、フォルクスワーゲン・ゴルフGTIにも愛着がある。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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