【やっぱり4気筒じゃ物足りない…?】メルセデスAMG C 63 2026年モデルで直6エンジン採用へ

公開 : 2025.04.10 06:45

メルセデスAMGは、史上最もハイパワーであったにも関わらず、販売が予想を大きく下回った『C 63』の4気筒モデルを廃止し、直6エンジンを搭載した新たなPHEVモデルに刷新する予定だといいます。

パフォーマンス的には最強だった

メルセデスAMGは、『C 63』の2026年のマイナーチェンジで、従来の4気筒を廃止し、直6エンジンを搭載する新たなPHEVモデルに刷新する予定だ。同社が明らかにした。

2022年に導入された現行型の4気筒版C 63は、電動ターボチャージャー付きの2.0Lガソリンエンジンとリアモーターによって合計出力680psと104kg-mのトルクを発生させる。

メルセデスAMG C 63 S Eパフォーマンス
メルセデスAMG C 63 S Eパフォーマンス

史上最もパワフルなCクラスモデルであったにもかかわらず、AMGの主要グローバル市場のすべてにおいて販売が予想を大幅に下回っている。そのため、ドライブトレインの見直しを余儀なくされた。

マイナーチェンジ後のCクラスのラインナップでは、4気筒に代わって、3.0Lの直列6気筒エンジンをベースとした新しいPHEVドライブトレインが採用される。

このセットアップは、E 53、GLE 53、CLE 53クーペおよびCLE 53カブリオレなど、さまざまなAMGモデルに使用されているユニットの発展版で、パワーとトルクを向上させている。

C 63だけでなく、2027年に発売予定のGLC 63のマイナーチェンジ版にも搭載される予定だという。

AMGの4気筒PHEVに対する購入者の抵抗感を受け、すでに他のモデルではV8エンジンへの回帰が始まっている。

2025年末までに発表予定のCLE 63クーペおよびCLE 63カブリオレには、フラットプレーンクランクを持つAMGの『M177』型4.0L V8ツインターボエンジンが搭載される。

本国の情報筋によると、4気筒のCLE 63を6気筒のCLE 53の上に君臨させることは、顧客にとってほとんどナンセンスなものだったという。

Cクラスの計画に関与するエンジニアは、同車のMRAプラットフォームにおけるパッケージング上の制約によって、AMGの新しいV8エンジンを搭載することは不可能であると述べている。

「物理的な大きさだけでなく、冷却システムや衝突安全対策のためにも、より多くのスペースが必要になる」そうだ。

現在のCクラスのエンジンルームは、4気筒と6気筒に最適化されており、V8を搭載するためには大幅な構造変更が必要になる。これにより、新たな衝突試験と規制当局の承認が必要になる可能性が高く、現段階では実現不可能ではないかと言われている。

その代わりに、マイナーチェンジ版C 63にはAMGの『M256』3.0L直6ターボが採用される。エンジン単体での最高出力は486psで、電気モーターとの組み合わせによって合計出力は660ps、最大トルクは90kg-mを超えると予想されている。

2024年に発売された現行型E 53では、このドライブトレインで合計585psと76.5kg-mのトルクを実現し、そのうちガソリンエンジン単体で440psと57kg-mを発揮する。

C 63の新しいPHEVドライブトレインは、現在のリアアクスルにモーターを搭載する『P3』レイアウトから、モーターをエンジンとトランスミッションの間に配置する『P2』レイアウトへと切り替える。

また、M256エンジンの比較的コンパクトなパッケージング(90mmのボア間隔を採用した結果)は、Cクラスのプラットフォームにも適している。

このセットアップにより、AMGは性能目標と、以前のV8エンジンを搭載したC 63に見られるようなスムーズで個性的なパワーデリバリーの両立を狙っている。

C 63のマイナーチェンジにおけるその他の変更点としては、メルセデス・ベンツのスーパースクリーン・ディスプレイとMB.OS(Mercedes-Benz Operating System)を組み合わせた新しいダッシュボードの採用などが挙げられる。

記事に関わった人々

  • グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 小河昭太

    Shota Ogo

    2002年横浜生まれ。都内の文系大学に通う現役大学生。幼いころから筋金入りのクルマ好きで、初の愛車は自らレストアしたアウトビアンキA112アバルトとアルファロメオ2000GTV。廃部になった自動車部を復活させようと絶賛奮闘中。自動車ライターを志していたところAUTOCAR編集部との出会いがあり、現在に至る。instagram:@h_r_boy_
  • 林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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