【BYDは進化の真っ最中】日本4車種目のシーライオン7に初乗り!アザラシとアシカはどう違う?

公開 : 2025.04.15 11:00

BYDが日本に輸入する4車種目の乗用車である『BYDシーライオン7』に試乗します。ミドルサイズのSUVという、活況の市場へ送り込む日本におけるBYDの本命とも言える車種となります。森口将之のレポートです。

ブランドの進化のスピードを教えられる結果

BYDが日本に輸入する4車種目の乗用車である『シーライオン7』は、一見すると『シール』のSUV版に思えるかもしれない。しかし試乗会で実車に触れると、レベルアップしている部分もいくつかあって、このブランドの進化のスピードを教えられる結果になった。

シーライオン7は名前でわかるように、BYDの海洋シリーズのひとつで、日本語に訳せばアシカになる。ちなみにシールはアザラシという意味だ。

ミドルサイズSUV、BYDシーライオン7が日本でも発売開始。
ミドルサイズSUV、BYDシーライオン7が日本でも発売開始。    神村聖

みなさんはアシカとアザラシの見分けがつくだろうか。僕のように、できないという人は多いだろう。どちらも鰭脚類(ききゃくるい)に属しているらしいし。だからというわけではないけれど、シーライオン7とシールの前後のランプまわりなどが似ているのは、名前のとおりだと思える。

一方でボディサイズは、全高がシールより160mmアップしたほか、全長と全幅も少し拡大している。ホイールベースは2930mmで、シールとほぼ同じだ。デザインでも、サイドビューはセダンということでダイナミックなシールに対して落ち着いていて、キャラクターの違いが伝わってくる。

細かい部分ひとつひとつの仕上げが上質に

それ以上に違って見えるのがインテリアだ。メーターは全幅にわたるパネルに内蔵され、助手席側にはイルミネーションが仕込まれている。中央の15.6インチスクリーンが、縦横どちらも選べるところは他のBYDと同じだが、センターコンソールを含めてエモーショナルなラインはなく、水平垂直基調になった。

加えてステアリングやドアオープナーなど、細かい部分ひとつひとつの仕上げが上質になっている。シルバーの加飾をマットとグロスで使い分けていることを含めて、日欧米のクルマをきめ細かく研究していると実感した。

インテリアは日欧米のクルマをきめ細かく研究していると実感。
インテリアは日欧米のクルマをきめ細かく研究していると実感。    神村聖

気になったのは、シールではディスプレイの左右にあったエアコンのルーバーが下に移動したこと。真夏でもフェイスレベルをしっかり冷やしてくれるか、暑くなってからもう一度確認してみたい。

シートは表皮にナッパレザーを起用。フロントはシールよりサイドの張り出しが控えめだが、適度に張りのある座り心地はヨーロッパ車に近い。リクライニング可能なリアシートはシールより明らかに広く、身長170cmの僕は足が楽に組めた。ショーファードリブンにも使えそうだ。頭上空間も余裕があるうえに、広さ2.1平方メートルのガラスルーフのサンシェードを開ければ明るさも得られる。

SUVということで、荷室へのアクセスはテールゲートによる。後席を畳めば1769Lもの容積が得られる。デビューの時期もボディサイズも近いトヨタクラウン・エステートを約300Lも上回るだけあって、確かに広大だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    森口将之

    Masayuki Moriguchi

    1962年生まれ。早稲田大学卒業後、自動車雑誌編集部を経てフリーランスジャーナリストとして独立。フランス車、スモールカー、SUVなどを得意とするが、ヒストリックカーから近未来の自動運転車まで幅広い分野を手がける。自動車のみならず道路、公共交通、まちづくりも積極的に取材しMaaSにも精通。著書に「パリ流環境社会への挑戦」(鹿島出版会)「MaaSで地方が変わる」(学芸出版社)など。
  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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