【日本にも導入期待】SUVのEV時代本格化!韓国試乗で感じたヒョンデ最新作アイオニック9の実態

公開 : 2025.04.16 11:45  更新 : 2025.04.16 12:56

ヒョンデの最新EV『アイオニック9』に桃田健史がソウルで試乗します。ソウルモビリティショーの入場者などを対象とした、同会場の駐車場を起点に公道を走行するプログラムです。日本導入は未定ですが、期待したい仕上がりのようです。

ヒョンデの最新SUV、EVの出来栄えは?

韓国の現代自動車グループ(以下、ヒョンデ)の最新EV『アイオニック(IONIQ)9』をソウルで試乗した。『ソウルモビリティショー』(4月3日〜13日、於:KINTEX)の入場者などを対象とした、同会場の駐車場を起点に公道を走行するプログラムである。

ヒョンデの最新SUV、EVの出来栄えはどうなのか? また、日本での導入の可能性はあるだろうか?

ソウルモビリティショー会場で、ヒョンデ・アイオニック9に試乗。
ソウルモビリティショー会場で、ヒョンデ・アイオニック9に試乗。    桃田健史

アイオニック9のワールドプレミアは、昨年11月にアメリカで開催されたロサンゼルス・オートショー。ヒョンデとしてはSUV大国アメリカで、GMやフォード、そしてホンダの次世代EV『ゼロシリーズ』などを対抗馬に想定し、いち早く大型EV乗用車のシェアを取りに行こうというわけだ。

地元韓国では4月に入って先行予約が始まったばかりで、まだディーラーからのデリバリーが始まっていない。そんなタイミングなので、韓国ユーザーの多くが今回のアイオニック9公道試乗会を期待していたという。

試乗会場には、真新しいアイオニック9がズラリと並ぶ。後方には新築の高層マンションやホテルが立ち並び様子から、アイオニック9の先進性が鮮明になった印象だ。

アイオニック9の見た目は、かなり大きい。ざっと全長5m×全幅2m級という印象だが、ヒョンデ本社のホームページで車両スペックを確認すると、やはりボディ寸法は全長5060mm、全幅1980mm、全高1790mm、ホイールベースが3130mmであった。確かに日本市場では大きいが、アメリカではミッドサイズSUVに収まるサイズ感である。

他にない独特のエクステリアデザイン

デザインの特徴は、サイドビューとリアビューにあると感じた。

言うなれば、背の高いステーションワゴンといった雰囲気があるからだ。大きいクルマなのに、全体に凝縮感があり、そこには硬いイメージはなく実にソフトタッチなのである。

インテリアは、新世代の高級SUVという雰囲気だ。
インテリアは、新世代の高級SUVという雰囲気だ。    桃田健史

詳しく見ると、ボディサイドのベルトラインがかなり高く、また前後のホイールアーチ上部に描いた水平方向のラインが珍しい。

そしてリアビューだが、リアゲート上部の横ラインと、リアコンビライトの縦ラインが融合し、そこにヒョンデがいうピクセル調のデザインを施している。近未来的な造形物という印象だ。

顔つきについては、『アイオニック5』や日本未導入の『アイオニック6』とデザインアイコンを共通化したという感じではなく、アイオニック9のボディサイズとヒョンデ独特のデザインテイストを上手く両立させた印象だ。

インテリアは、アイオニック5のような都会派の住宅インテリアを連想させるものではなく、新世代の高級SUVという雰囲気。運転席まわりは、P/D/Rの回転式シフトスイッチなど一部の部品でヒョンデ各EVとの共通性があるものの、意匠全体ではアイオニック9としての独自性が強い。

物理的スイッチが主体なので、乗ってからほどなくして各種操作のコツがつかめた。デジタルサイドミラーの左右モニターは、停止時だとかなり大きな存在感があるのだが、走行中は車内の景色の一部としてインテリアとして上手く溶け込んでくれた。

記事に関わった人々

  • 執筆 / 撮影

    桃田健史

    Kenji Momota

    過去40数年間の飛行機移動距離はざっと世界150周。量産車の企画/開発/実験/マーケティングなど様々な実務を経験。モータースポーツ領域でもアメリカを拠点に長年活動。昔は愛車のフルサイズピックトラックで1日1600㎞移動は当たり前だったが最近は長距離だと腰が痛く……。将来は80年代に取得した双発飛行機免許使って「空飛ぶクルマ」で移動?
  • 編集

    平井大介

    Daisuke Hirai

    1973年生まれ。1997年にネコ・パブリッシングに新卒で入社し、カー・マガジン、ROSSO、SCUDERIA、ティーポなど、自動車趣味人のための雑誌、ムック編集を長年担当。ROSSOでは約3年、SCUDERIAは約13年編集長を務める。2024年8月1日より移籍し、AUTOCAR JAPANの編集長に就任。左ハンドル+マニュアルのイタリア車しか買ったことのない、偏ったクルマ趣味の持ち主。

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