新型アウディR8を発表
公開 : 2015.03.03 22:52 更新 : 2017.06.01 02:10
いよいよ最新のアウディR8が姿を現した。トップ・モデルの最高出力は609ps。搭載するエンジンは5.2ℓ V10ガソリン・ユニットだ。0-100km/hタイムは3.2秒、最高速度は330km/hに到達する。
写真を見るかぎり、2006年から販売されている初代R8とそっくりに見えなくもないが、技術開発部門トップのウルリッヒ・ハッケンバーグ氏いわく、すべてのパーツは最新に置き換わっているか、アップグレードされているとのこと。
開発に要したノウハウはドイツの開発グループであるLMPやLMSから大いに提供を受けたとのこと。「レースで得た技術をたっぷりとR8に捧げており、他のアウディでは追従できないレベルに達している」とハッケンバーグ氏は語る。
今回はR8の発表と同時に、R8 e-トロンの投入も明らかにした。限定生産になるそうで、販売地域も制限していくのだそうだ。V10ユニットが搭載されることは明らかになっているが、詳細な価格に関してはまだ明かされていない。
中国のマーケットでは4.0ℓユニットの方が好まれるのではないかというAUTOCARの質問に対しては「いま解決策を探している最中です」と答えくれた。同時に控えめなパワーのモデルもラインナップに加えられることも示唆した。
スタイリングは大いに先代の文法を採っているが、細かく見ていくとLEDヘッドランプやサイド・ブレード、完全なるアルミニウム・ボディなどは最新のR8にしかない点である。
以前のデザイン・チームのボス、ヴォルフガング・エッガーのデザインがベースになっていることもこっそりと教えてくれた。ディテールに関しては新しいボス、マーク・リヒトの指示がおりているのだそうだ。
レーザー・ヘッドランプの意匠や前後のダイナミック・ターン・シグナルも、このモデルからは標準となる。
全長は4442mm、全幅は1944mm、全高は1241mm。全長はR8と同じだが、全幅は39mm大きくなり前項は9mm低くなっている。
今回のショーではハード・トップのモデルのみの発表にとどまっているがスパイダー版の追加も決定済みなのだそうだ。今年末のお披露目を予定しているとのことなので、11月に行われるロサンゼルス・モーターショーでお目にかかれる可能性が高い。
新設計のスペース・フレームの重量は200kgとのこと。主要素材はアルミニウムと変わりがないが、随所にCFRP素材を用いることによりR8 V10プラスから66kgもの減量を果たし、乾燥重量1454kgという公表値を実現した。さらに、40%もの剛性アップにも成功しているのだそう。
サスペンションは先代同様、前後にダブル・ウィッシュボーンを採用。標準は金属バネとダンパーというコンベンショナルな組み合わせではあるが、オプションでマグナライド・コントロールと呼ばれる連続可変ダンパーも選べるのだそうだ。
2015年の後半までには5.2ℓユニットをチューンナップによって区別した2種類を購入できるようになるとのこと。新しいシリンダー・オン・デマンド機構は全車に採用予定で、製造はハンガリーにあるジェール工場にて行われる。7速デュアル・クラッチSトロニック・ギアボックスが標準となる。
基準車に与えられるバンク角90度のV10ユニットの最高出力は539ps/8000rpm、最大トルクは55.0kg-m/6500rpm。先代のV10モデルに比べると15psと0.97kg-mの増強である。
R8 V10プラスはランボルギーニ・ウラカンと同等の609ps/8150rpmと57.1kg-m/6500rpmを叩きだす。実に60psと2.1kg-mのパワーアップである。
アイドリング・ストップ・システムが採用されたのも今回の目玉。4WDシステムのレスポンスも高められたのだそうだ。前後それぞれに100%ずつの動力を与えることも可能で、機械損失も極限まで減らされているのだそうだ。
R8 V10の0-100km/hタイムは3.5秒、最高速度は323km/hとなり、V10プラスの場合はそれぞれ3.2秒と330km/hに及ぶとのこと。ちなみに先代はV10が3.6秒と314km/h、V10プラスが3.5秒と317km/hであったので、着実な進歩を遂げたと言っていい、
シリンダー・オン・デマンドを含む燃費向上技術により燃費、CO2排出量ともに10%ずつの成績アップが確認されている。その結果、ヨーロッパ内のテスト・サイクルにおけるV10の燃料消費率は8.5km/ℓと275g/km、V10プラスは8.1km/ℓと289g/kmをマークした。
e-トロンに関しては先代のシステムを流用するため、0-100km/hタイムは3.9秒と据え置きではあるが、航続可能距離は倍以上の451kmをマークしている。