フェラーリ488GTBがワールド・プレミア
公開 : 2015.03.04 22:50 更新 : 2017.06.01 02:10
ワールドワイドな量産モデルとしてはフェラーリ初のミドシップ・ターボ・モデルとなる488GTBがジュネーブ・モーターショーでワールド・プレミアを果たした。
フェラーリは、カルフォルニアTでターボ・チャージャー・ユニットを搭載しているが、これはそれに続くターボ・ユニットの搭載となる。しかし、フェラーリは、そのエンジンに関してはカルフォルニアTとは別物であるとアナウンスしている。
製造は458が夏に終了した後、9月から生産に入る。
488GTBのパワー・ユニットは、ツインターボの3902cc。カルフォルニアTは3855ccだ。パワーは669ps/8000rpm、トルクは77.4kg-m/3000rpmという値である。これは、458および458スペチアーレの4.5ℓのナチュラル・アスピレーションV8よりも当然ながら増加した数値だ。ちなみに、458は570ps/9000rpm、55.0kg-m/6000rpm、458スペチアーレは、605ps/9000rpm、55.0kg-m/6000rpmという値である。パワー的には、650ps/7250rpm、69.1kg-m/6000rpmのマクラーレン650Sを上回るものだが、これもジュネーブ・モーターショーでデビューした675psの675LTにはすこしばかり劣ることになる。また、そのトルクは、フェラーリのトップ・モデルであるF12ベルリネッタのノーマル・アスピレーションV12が発する70.4kg-mをも超えるものだ。
このパワー・ユニットは、458のものをベースに修正が加えられた7速デュアル・クラッチ・ギアボックスに迎合される。このギアボックスは、”バリアブル・トルク・マネジメント” システムを持つもので、フェラーリによれば、回転にあった強力なトルクをスムーズ且つパワフルに伝えるのだという。ギア・レシオは、”ドライバーが床までスロットルを踏んだ時に、信じられないくらいの俊敏さを持つ” ようなものだという。実際、488GTBの0-100km/h加速は3.0秒、0-200km/h加速は8.4秒で、トップスピードは330km/hだ。この数値はマクラーレン650Sと同じ値だが、最高速は650Sのほうが333km/hと3km/hほど速い。
488GTBのネーミングは、V8エンジンの1シリンダーあたりのキャパシティが488ccであることに由来し、GTBはグランツーリスモ・ベルリネッタという308GTBなどにも使われるV8ミドシップ・フェラーリ伝統のネーミングである。
フェラーリは488GTBのサウンドに関して、非常に繊細な注意を払ったという。
新しいターボ・ユニットは、458の4.5ℓV8よりも強力であるばかりでなく、経済性にも優れる。燃費は458の7.5km/ℓから8.6km/ℓに向上し、CO2排出量も307g/kmから260g/kmに下がっている。フェラーリのHELEストップ・スタート・システムも標準で装備される。
シャシーは、SSC2と呼ばれるサイド・スリップ・アングル・コントール・システムとアクティブ・ダンパー、F1-トラック・トラクション・コントロール、E-デフなどが装備される。特に、そのセッティングには、XXプログラムで得たノウハウが注ぎこまれているという。フェラーリは、それら新技術の導入の結果、コーナーからの立ち上がりが性格で、より大きなトラクションを得ることができ、しかもスタビリティも向上しているという。
ボディ・サイズは、全高4568mm、全幅が1952mm、全高が1213mm。458スペチアーレとの比較では全長が3mmほど短くなり、全幅が1mmほど狭くなり、全高が10mmほど高くなっているが、ほぼ同寸と見て良いだろう。ホイールベースはアナウンスされていないが、これも458スペチアーレの2650mmを引き継ぐものと思われる。ボディ・ウエイトは、1290kgから1370kgと増えているが、これはパワーアップしたことで相殺以上となるだろう。
フェラーリはこの新しい488GTBについて、”プロダクション・モデル史上最もレスポンスに優れたモデルであり、サーキット専用モデルに近いもの” とコメントしている。