ロールス・ロイスのワンオフ・モデル、セレニティーが公開
公開 : 2015.03.04 22:09 更新 : 2017.06.01 02:10
”1900年代初期の素晴らしき内装クオリティを再び” をモットーに制作されたセレニティー。デザイン・ディレクターのガイルズ・テイラーによると、王族とともに歩んだ歴史にもハイライトを当てているのだそうだ。
グッドウッドの際に結成したデザイン・チームをベースに、ヨーロッパの家具づくりの歴史と日本の由緒正しき着物デザイナーがタッグを組んで制作されたのがこのクルマ。
中国を起源とする手織りのシルクと、手塗りによる赤い桜の柄が目印だ。軽くスモークされたサクラの木や真珠、竹などの素材も白色のレザーと共同で独特な空気感をつくりだす。
これまでのワンオフのペイントのなかでは最も高価だというこの内装。3段階に分けられたパール・エフェクトが特徴で、手作業による研磨はなんと12時間に及んでいるのだという。
あつらえのレザーが巻かれた2本のパラソルはトランク・リッドに組み込まれる。
デザイン・ワークを担当したのは、シェリカ・ヘイ氏とミッシェル・ラスビー氏。それぞれ王立美術院とプリマス大学の出身だ。2人の織りなす桜の柄は実に緻密である。
またシルク担当は、中国の蘇州市出身の職人で染め加工の権威とも言える人だ。
シルクの内側にはスモーク・グリーンと称されるシルクがもう一層。1センチに付き140本もの糸が編み込まれているのだそうだ。
ロールス・ロイスでは前例を見ないほどオーダーが多いという、ワンオフ・モデル。これからの発展からも目が離せない。