またステアリングは引き続き、活き活きとした感覚とは程遠いうえ、フィードバックの絶対量も致命的に欠けている。操舵に対する応答も、お世辞にも素早いとはいい難い。

また、速くコーナーを抜けだそうとすればするほど、十分なトルクが流れこむまでに時間を要する。ゴルフやフォーカス、レオンの方がもっと正確であるし、鋭さも優っている。

乗り心地に関しては、先代よりもわずかに快適であることはすぐにわかった。特にバンプからの衝撃に対する、初期の処理に時間がかからなくなっているうようだ。したがって低速域の落ち着きは加点ポイントである。

ただしこれは、あくまで低速域だけの話。速度計に表示される数字が増えれば増えるほど、バンプやジョイントを超えるたびに、体が上下にゆさゆさと揺られる羽目になる。

その反面、エンジンは好印象。CO2排出量や燃料消費率には好感がもてるし、だからといって市街地の走行において貧弱に感じられることはまずない。高回転域までもっていっても、辛抱強く回ってくれるタイプだ。

ダッシュボード上のボタン点数は相変わらず多く、エアコンの操作には手間取るものの、新しいインフォテイメント・システムは先代のそれよりも明らかに改善されている。

ボタン点数が少なければ少ないほど良いとは一概には言えないが、ホンダの施した改良は有効だと感じる。7.0インチのスクリーンは見た目がよく、ユーザビリティやレスポンスにも問題らしい問題は見当たらない。

後席のスペースはフォルクスワーゲン・ゴルフよりも狭い。実際に腰をおろしてみると、窓が狭いゆえにやや窮屈にも感じる。その反面荷室容量は477ℓと、ゴルフやフォーカスよりも大きく確保されている。

また、このグレードならばブルートゥース接続、衛星ナビゲーション、クルーズ・コントロール、リア・パーキング・カメラ、前後パーキング・センサー、オート・エアコンも最初から付いてくる。