フォード・エスコート1.5
公開 : 2015.03.09 23:40 更新 : 2017.05.29 18:54
中国市場のみという制限付きで復刻を果たしたエスコート。シャープなハンドリングをはじめとする、フォードのお家芸は健在なのだろうか?
■どんなクルマ?
エスコートと聞いて驚いた向きもあるかもしれないが、これは2002年の記事などではなく、れっきとした2015年の記事なのでご心配なく。
このクルマを単刀直入に表現するならば、フォード・フォーカスをベースとした、中国専用のサルーン・モデルである。
ただしフォーカスといえども、エスコート用に抜擢されたのは先代のフォーカス。ちなみに中国ではフォーカス ’クラシック’ として、今でも販売されている。
たしかに初代エスコートらしいルックスともいえるが、初代エスコートは中国で販売された経緯はなく、’懐かしい’ と感じられるのは欧州のみの話である。
フロント・マスクはここ最近の ’フォード顔’ を採用しているが、果たして乗り味にもフォードのDNAが反映されているのだろうか? 早速見ていくことにしよう。
■どんな感じ?
キャビンを見わたすと、まずパネル中央のインフォテイメント・システムが注意をひく。これは現行型のフィエスタと同じものであるが、ごちゃごちゃとしていたボタンは、それぞれサイズが大きくなり、押しやすい。
しかし、本テスト車両のように最上級グレードでもタッチスクリーンは設置されていないため、テクノロジーを優先する傾向にある中国で受け入れられるかどうかは疑問である。
その代わりにセットされるのがスマートフォンを設置するためのクレードルであり、下からUSBアダプターを引っ張りだして接続するかたちを採る。悪くはないシステムではあるものの、上級グレードを謳うからには更なる期待をしてしまうのは無理もない。
内装に用いる素材の質感は概ねたかく、柔らかいプラスティック素材を多く用いている点も好感がもてる。またそれぞれの立て付けの信頼性も、ほかのフォードと同じく高い。