レクサスNX200t
公開 : 2015.03.12 23:30 更新 : 2017.05.29 19:23
ガソリン・ターボ版NX200tの速さやルックス、高級感のあるキャビンは評価できる一方、楽しさは今ひとつである。
■どんなクルマ?
好き嫌いの別れるクルマではあるが、沸々と人気が高まっているのは事実。今回はそのガソリン・ターボ版を試すことにする。
搭載するのは2.0ℓガソリン・ターボ・ユニット。組み合わせるギアボックスはトルコン・オートマティック・トランスミッションだ。
0-100km/hタイムはNX300hよりも約2秒速い7.1秒を確保する一方、価格も同様にNX300hの£36,995(641万円)より高価になっている。
200tは、英国ではクロームをふんだんにあしらった、装備がたっぷりのFスポーツのみの設定となっており、価格は£38,000(690万円)から。
一見高価に感じなくもないが、レンジローバー・イヴォークのベース・グレードが£46,000(835万円)以上、4気筒の素のポルシェ・マカンが£40,000(726万円)以上ということを考えれば、NX200tもいくぶん手頃だと思えてくる。
■どんな感じ?
そこそこ速く、乗ってみても悪い印象はないが、決して笑顔になれるほど楽しい類ではない。
低回転域でのエンジン音は静かであるが、ギアボックスの変速スピードはのったりとしている。
ただしごく一般的な乗り方をする程度ならば、さして不満に感じることはなかった。
コーナー手前で意図的に素早く鼻先を動かせば(いい意味で)4WDらしからぬ身のこなしをするのは、パワー供給をリア偏重にしているからである。
コーナー中腹あたりからは、進んでアンダーステアに転じはじめる。これは他のNXと同様で、そこからガス・ペダルを戻してやれば、すんなりと元々意図していた姿勢に戻すことが可能だ。
ただしこの際、細やかに調整はできるものの、クルマ自体が笑顔であるような感覚はない。
確かにステアリングの重みは適切であるし、レスポンスも悪くはないのだが、どこか面白みに欠けるのだ。