ラディカルRXC500
公開 : 2015.03.16 23:50 更新 : 2017.05.29 19:17
四隅はダブル・ウィッシュボーン式サスペンションで固められ、制動はフル・フローティングの6ピストン・キャリパーが担う。
初めて最速タイムを打ち出したのは2005年、SR8 LMをマイケル・ヴァーガーズがドライブした時で、その際の6分48秒という記録は2009年まで破られなかった。
そして今回、ラディカルは王者奪還を本気で目論んでいるのである。
■どんな感じ?
確固たる目標のもとに生まれたレーシングカーのほとんどがそうであるようにRXC500は速く、完璧かつ高効率な ’ウエポン’ である。
新型のターボ・エンジンによる付加的なトルクは計り知れないほどで、受け皿としてのシャシーにも余裕がある点が良い。
サーキット上でのパドル・シフト式ギアボックスの動作も理想的であり、強力なダウンフォースのおかげで、常にトレイル・ブレーキングを行うことも可能だ。
それでいてエアコンが付いていて、さらには快適なキャビンが確保され、一般道用のナンバー・プレートが取り付けられるのだから、奇跡といっても言い過ぎではないだろう。
いよいよ最初のコーナーへ差し掛かる。この時点では常軌を逸した速度域に到達しているのだが、車体を後ろに強烈な力で引き込むかのような制動力とカーボン・ウイングによるダウンフォースのおかげで怖さは全くない。
そんな安心感を助長するのがリア・タイヤのトラクションである。地面に糊付けされているのではないかと疑うほどの粘りのおかげで、コーナリング時はもちろんのこと脱出時もこちらが仰け反るほどの力で蹴りだしてくれる。