ラディカルRXC500
公開 : 2015.03.16 23:50 更新 : 2017.05.29 19:17
ターボが効き始めてからの加速感は ’情け容赦のない’ と表現するのが適切だろう。シルバーストン・サーキットのハンガー・ストレートではスピード・メーターは軽々と257km/hを表示していた。
いよいよストウ・コーナー。左側のパドルを弾けば、スパンッと鋭いシフト・ダウンが始まる。世界最高水準にある電制ステアリングがコンマ1秒のラグさえ許さずに鼻先を素早くエイペックスに向ける。
再びとんでもない制動力が、これまでの速度が嘘であったかのような穏やかな速度に変えてくれ、気づけばコーナーは終わり、また次のコーナーへ姿勢を変えるのだ。
初期のプロトタイプゆえに少々アンダーステアが顔をだすきらいがあるものの、それ以外のセットアップの完成度は高く、とにかくすべての所作が機敏なことに驚かされるばかり。
低回転域から効くターボのおかげで、レーシングカーにありがちな ’下がスカスカ’ な感じは皆無。また速度域を問わず、一貫してスロットル・レスポンスが研ぎ澄まされているのは加点ポイントだ。
エンジンとターボは、もちろんかなりの音量で常にがなり立てているが、トルク・カーブを始めとする全般的なマッピングは絶妙のひとこと。ギアをセットし直したり、パワー供給に待たされたりすることは一切ない。
減点対象となったのは、エンジン音が退屈な点、レブ・レンジが6000rpmを少し過ぎたあたりで制限される点、ゆったりと走るときにクワイフ製ギアボックスがガチャガチャという点だ。
現時点では以上の欠点が見られるが、どれも製品化されるまでには改善されるはずである。また、多くの人が多くのシチュエーションで満足できる後方視界が確保されている点はRXC500の明確な長所である。