BMW 650iクーペ
公開 : 2015.03.19 23:40 更新 : 2017.05.23 10:26
BMWのラグジュアリー・グランドツアーは、つい最近外観のリフレッシュと装備の変更を受けた。M6を除いてもっともパワフルな650iを早速試してみることにする。
■どんなクルマ?
もし仮に、M1のエンジンを搭載した1984年式のM635CSiのことを覚えているならば、現行の6シリーズを当時の6シリーズと紐づけることに苦労するかもしれない。
1976年にデビューしたE24型の奏でたストレート6の甘美な音だって、とても魅力的であった。現行6シリーズが魅力に欠けると言うつもりは毛頭ないが、やはりそのキャラクターは明確に異なっている。
’6’ という月桂冠を輝かせ続けるために、BMWは技術面とスタイリング面で改良を加えることに決め、2015年版として販売を決めた。なかでも今回テストするのは、V8ユニットを搭載する650iを選んだ。
■どんな感じ?
内外装の変更点は、’劇的’ というよりもむしろ穏やかなもの。しかしながら着実に、美しく、機能的になっている。
たとえば新しいバンパー。左右に広く開けられたインテークや、9本のスリットが入るキドニー・グリル(これまでは10本)は先代よりもアグレッシブな印象をもたらす。
さらに細かく見ていくとスリットの上部には角度が付けられていることがわかる。また先端部分がほっそりと絞りこまれており、これが思いのほかシャープに見えるのだ。インテークも冷却効率を高めているらしい。
インテリアは、レザーに対比的なカラーのステッチが縫い込まれたダッシュボードがスタンダードとなり、エアコンやオーディオ・コントロールが鎮座するセンター・コンソールの周囲をつややかに塗られたパーツが覆う。
詳細を追えば追うほど、細部にまでかなり手を入れて作りこんでいることがわかる。高級素材の点数こそ少ないが、内装の高級感に口うるさいカスタマーでも十分に満足できるはずだ。