レクサスRX450h Fスポーツ
公開 : 2012.08.09 12:00 更新 : 2017.05.29 19:24
■どんなクルマ?
スポーティな4×4という存在自体が少しばかり矛盾を感じなくもないが、販売数を上げることに寄与するだけでなく、そのモデルの持つイメージを押し上げるのにも役だっているようだ。それがレクサスがBMW X5に対抗してRX450hにFスポーツというモデルを導入した理由ではないだろうか。
■どんな感じ?
ある意味、RX450h Fスポーツは成功していると言える。そのエンスージァスティックなバイヤーにとって、最大の魅力はパフォーマンスダンパーの装着だからだ。これは、フロントのサスペンション・タワーの左右を、そしてリアのロワ・バック・パネルの左右をそれぞれシングル・ダンパーで繋ぐというものだ。このシステムは、小さな振動を吸収し、安定性を増すというもので、それはある程度の効果が認められた。
X5の乗り心地に疑問を呈するというところまではいかないものの、RX450h Fスポーツはカントリー・ロードでは驚くほどの非常に落ち着し乗り味を味あわせてくれる。しかし、その乗り心地は総じて固い。特に低速時はその傾向が顕著で、それは想像するよりもハードな乗り心地だ。スポーティ・モデルが低速で固い乗り心地を提供するというのはありがちだが、決して褒められたことではない。
そのキャビンはゆったりしており、ガソリン・エンジンとのハイブリッド・システムも含めて非常に良い印象なのだからもったいない。その理由のひとつはスタイル優先のホイールの選択にもある。標準は18インチだが、このFスポーツは19インチ・アロイ・ホイールを履かされているのだ。
一方タイヤは、ロー・グリップのエコタイヤが装着されていたが、ハンドリングは絶望的なものでは決してなく、比較的当たり前のものだった。
そのパワー・ユニットは、スポーツ・モードにするとスロットルの反応も良くなるもので、そのパフォーマンスは最大限の賞賛は与えられないものの非常に素晴らしいものであった。
エクステリアは、スピンドル・グリルのメッシュ・タイプのものとなり、より彫りの深いフロント・バンバーによってスタイリッシュになっている。また、アルミ風のペダルが既に素晴らしいフィニッシュのインテリアに付け加えられている。
これら専用のエクイップメントを装備したRX450h Fスポーツが、52,605ポンド(650万円)の価値に相応しいかは議論の余地がある点でもある。しかし、 BMWのMスポーツや、アウディのSラインといったライバルに対して一石を投じることは間違いない。
■「買い」か?
その低いCO2排出量と燃費の良さは魅力だ。しかし、あまり走行距離を稼がないドライバーにとっては、1万6千km毎という異例に長いサービス・インターバルと共に、それはあまりメリットとはなり得ないかもしれない。逆に言えば、マイレッジが多いドライバーにとっては、非常に魅力的なクルマといえる。もちろん、RX450h自体が良いクルマであるのだから、買い手が失望することはないだろう。ただし、部分部分を挙げれば、ライバルに劣るところもあるのも事実ではある。
(ジム・ホルダー)
レクサスRX450h Fスポーツ
価格 | 51,955ポンド(640万円) |
最高速度 | 200km/h |
0-100km/h加速 | 7.8秒 |
燃費 | 19.0km/l |
CO2排出量 | 145g/km |
乾燥重量 | 2205kg |
エンジン | V6 3456cc+電気モーター |
最高出力 | 295bhp/6000rpm+235ps |
最大トルク | 34.1kg-m/4800rpm+48.4kg-m |
ギアボックス | CVT |