ディスカバリー・スポーツ vs X3 vs XC60 vs サンタフェ
公開 : 2015.03.23 18:14 更新 : 2021.03.05 21:39
室内のシートはディスカバリーの7人に対して5人となるがスペースはたっぷりと確保されている。インパネのデザインは3シリーズのそれをそのまま大きくしたといった感じでSUVらしい文法は見当たらない。
しかしながら使用するマテリアルの質感はとても高く、特にスイッチの押し心地は、価格帯にぴったりとあったものである。
ボルボXC60は両者の快適性と洗練性を凌いでいる。181psと40.8kg-mを発揮する2.0ℓディーゼルの音も聞き心地がよく、常に生き生きとした雰囲気を醸し出している。
しかしXC60は以下の2点の欠点がある。
まず第一に、キャビンのルックスと使い心地に優れ、前席周囲のスペースは非常に広いのだが、後席があまりに狭い。そして第二にドライバーをあまり喜ばせてくれない。
路面の凹凸のいなしはうまく、コーナリング時には非常に安定しているが、フィードバックの絶対量が少ないのも難点だ。またハードに攻めれば攻めるほど、シャシーの余裕のなさが目立つ。
さらにコーナリングの速度を高めると、ステアリングのキックバックが非常に大きくなる。加えてこの速度域では、バンプをうまく処理できなくなるのだ。変速速度ももう少し高めてほしいところである。
ならばヒュンダイ・サンタフェはどうか?
お世辞抜きに、競争力が高いといえる。乗り心地はしなやかであるうえ、安定感も秀でている。速度を増していっても不快に感じる点は極めて少ない。
ステアリングのフィードバックは少ないが、軽い操作感ゆえ簡単に操舵することができる。額面上ではサンタフェが最も遅いことになっているが、低い回転域から44.5kg-mのトルクが湧き上がるため、むしろ力強い。
またエンジン音が驚くほど静かなおかげでクルージングにも不満はないし、控えめに変速してくれる6速ATのおかげで、軽やかに加速することも可能。ディスカバリーのような ’迷い’ はどこにもない。
インテリアはファッショナブルではないうえ、他同様に完璧なフィニッシュとは言いがたいが、耐久性は高そうだ。
しかし、シート下方のサポートが充実していないのは残念。距離が伸びるとやや疲れてしまう。一方スペースは広く、装備も充実している。
唯一の欠点といえば、全てが平均的なところに落ち着きすぎており、面白みに欠けている点である。
燃費に関しては、ディスカバリーは15.9km/ℓという公表値に対して11.7km/ℓ。他ライバルの公表値は18.5〜21.3km/ℓといったところであったが、どれもが楽に14.1km/ℓを超えられた。