キャデラック・エスカレード・プラチナム
公開 : 2015.03.24 23:20 更新 : 2017.05.29 18:32
キャデラックは新技術をもって、古風なシャシーを覆い隠そうとしているが、果たして、以前よりも「買い」なのだろうか?
■どんなクルマ?
自尊心の高いラッパーならば、「エスカレードは目立つためにあるのさ」と言うかもしれない。確かにそれも一理ある。
しかし、このサイズはやはりアメリカの人々の日常生活にこそフィットするというもの。GMCユーコンやシボレー・シルバラードなども同様である。
今年で4代目となるエスカレードは、質感、インフォテイン・システム、シャシー・ダイナミクス、安全装備に重点的に力を注いでいるという。
当然ながら、レンジローバーやメルセデス・ベンツのGLクラスを見据えての結果である。
先に言っておくが、モダンなシャシーや九十九折での身のこなしに代表されるような情報は、本項ではあまり意味をなさない。
これから展開する話は、あくまで古風なボディ・オン・フレーム構造の中で、キャデラックがいかにして努力を積み重ねたかというのが主な論点である。
ちなみに車重は先代よりさらに重くなっており、ボディ・サイズも大きくなっている。
■どんな感じ?
エスカレードが搭載するV8ユニットは、もちろんデチューンされているが、現行のコルベットと同じものである。賢いシリンダー・シャットオフ技術も採用しているため、シャシーほど古風なものではない。
試しにガス・ペダルを強く踏むと、数メートル後ろのエグゾースト・パイプからはいかにもV8らしい唸り声が聞こえてくる。ちなみに(必要な情報化は不確かだが)、0-100km/hタイムは6.7秒となる。
エンジンの洗練性はまずまずのレベルに到達しているが、こちらがなめらかな加速を試みたとしても、標準の6速ATは変速に迷ううえ、のったりとした仕事をする。
GM製の新式8速ATを遅からず導入すると聞いているためホッとしてはいるが、改善を望みたいところである。