キャデラック・エスカレード・プラチナム
公開 : 2015.03.24 23:20 更新 : 2017.05.29 18:32
エスカレードはツアーとスポーツの2種のセッティングから成るマグネティック・ライド・コントロールを備える。これにより確かにダンピング性能は優れている一方で、巨大なボディが落ち着くかというと、そうではない。
二次的な乗り味には更なる瑕疵を抱えている。バンプや波状の路面隆起を乗り越えるたびに、ボディはゆさゆさと上下方向に揺さぶられるのだ。
スポーツ・モードでさえ、レンジローバーやGLクラスよりもボディはリーンする傾向にあるが、一方でタイトなコーナーにおけるボディのコントロールは先代よりも行いやすくなっている。
直進時のステアリングはこちらが不安になるほど軽い。反面、減速していけばステアリングが重くなる仕立てとなっているが、この重みも人工的すぎるきらいがある。少なくとも、6mを超えんとするクルマの設定ではない。
室内には7人分の座席が用意されているが、仮に8人用のシートが必要な場合は£360(6万4千円)が追加となる。
前2列のシートは大人が寛いだ姿勢をとってもあり余るほどである一方、最後列はわれわれが連れ出したショート・ホイールベースの車体では子どもが座るのにちょうどいい程度である。
荷室容量は車体からも想像できるとおり非常に大きく確保されている。2列目のシートを立てた状態で1461ℓというのがメーカーが公表する値で、さらに長いESVになると2172ℓまで拡大する。
ドライバーズ・シートに座ると同門の他車が使用するスイッチと多くのものを共有していることがわかるが、質感そのものは先代よりも良くなっている。
メニュー・ボタンを両脇に備える、8.0インチのタッチスクリーンを主とするキャデラック内製のCUEインフォテインメント・システムは全車標準装備。
8.0インチと12.3インチのデジタル・スクリーン・ディスプレイのどちらを選んだとしたとしても見た目には優れるが、小さすぎるボタンと複雑なメイン・メニューに苛立ちを覚えることは否定しない。