フォード・フィエスタST3 CP3パフォーマンス・パック
公開 : 2015.03.30 23:50 更新 : 2017.05.29 18:54
コリンズ・パフォーマンスはフィエスタST3から274psと36.6kg-mを引き出すことに成功した。AUTOCARが気にしているのは、かねてからの魅力は引き継がれているのかどうかである。
■どんなクルマ?
英国のマウンチューンが2013年にSTの最高出力を183psから215psに引きあげた時、結果として素晴らしかったのは最高出力だけではなかった。
そして2015年、コリンズ・パフォーマンスは最高出力の基準を274psに書き換えた。このCP3パフォーマンス・パックはコリンズ・パフォーマンスによる3代目にして、最後のチューンドカーとなる。
マングース製のエグゾーストに、エアテック製インタークーラー、ITGのインダクション・システム、CPEのターボチャージャー、ECUマッピングの書き換えなどが、われわれを喜ばせてくれるタネである。
ターボチャージャーを変更しない場合の、アップグレード費用は、基準となるフィエスタSTよりも£2,965(52万円)プラスとなる。
テスト車両には、前後サスペンションを締めあげるダイナミック・シャシーを組み合わせていたため、さらに£440(7万7千円)高い£22,360(395万円)となっていた。
1.6ℓから274psを引き出すという文法は、プジョーRCZ Rでもおなじみであるが、対するフィエスタST3にはRCZ RのようにLSDが装着されていない。
そういった違いも踏まえて、ST3 CP3を試してみることにする。
■どんな感じ?
コリンズ・パフォーマンスのロゴが入ったプッシュ・スターター・ボタンを押しこみ、エンジンに火を入れた瞬間から、基準車との違いを明確に感じられる。
かなりの音量を発するシングル・ボックスのエグゾーストは、より静かなツイン・ボックスに無償交換も可能であるが、もし筆者が購入するならばそのままにしておくだろう。なかなかの勇ましさである。
いきなり全開で走らせてみると2つのことが分かる。
1つ目は、CPがむやにみギアボックスに手を入れなかったこと。基準車のカチリとしたポジティブな感覚が残っているため、賢い選択だったといえよう。
2つ目は、低回転域からエグゾースト・ノートが室内にこもりやすいという点。これはあまり好ましい事態ではない。
ただし、ひとたび道路が空くとエグゾースト・ノートの音量は気にならなくなる。というより、むしろ気持ちを高めてくれる。
ターボチャージャーが全開で回りはじめると、暴れる前輪とトラクション・コントロール・システムが必死に交渉しはじめる。