しかしここで驚くのは、極めて強大なパワー／トルク・デリバリーであるにも関わらず、ステアリング・ホイールが手に負えないほどもがいたりすることがない点。じゃじゃ馬感というよりも、手の内にあるような感覚の方が強い。

続いて数字のおさらい。テストに借りだしたCPフィエスタの5速時の48-80km/hタイムは、基準車のSTよりも1.4秒、80-114km/hタイムは1.8秒速かった。

トラクション・コントロールを解除し、注意深くクラッチ操作した際の0-100km/hタイムは5.9秒を記録。基準車よりもちょうど2秒速い結果となった。

エントリー・レベルのポルシェ・ボクスターはこれより0.1秒速いことを考慮すれば、CPフィエスタの速さが実感いただけるだろうか。

もちろん基準車のパワー・デリバリーの迅速さや、ミドル・コーナーでの粘りづよさは健在。リフト・オフによるボディ制御も簡単にできるうえ、なによりターボチャージャーの回転音を聞いていると ’その気’ になる。

コリンズ・パフォーマンスいわく、CP3パックの場合は標準のシャシーよりもリア部分を活発にしたとのことだが、ダイナミック・シャシーにアップグレードしたことでより引き締まったブッシュになり、それゆえフロントの敏捷性もわずかに強化されていると感じる。

ほんの些細なことではあるし、かなり攻めこまないと看取できないほどではあるが、楽しさに磨きがかかっていることは間違いない。

CP3パックはフィエスタSTのどのグレードにも適合可能。テスト車両はST3だったため、サポートが豊富なレカロ製フロント・シートや衛星ナビゲーションなどは標準となる。

コリンズ・パフォーマンスのロゴを使用したスターター・ボタンやトランク・リッドのステッカー、ロゴ入りのエンジン・カバーは標準となるが、(ありがたいことに)サイド・ストライプを含む外装上の大きいデカールは£120(2万1千円)のオプションの扱いである。